カタール・ワールドカップの決勝は日本時間18日深夜(24時)に行われる。ファイナリストになったのはアルゼンチンとフランスだ。アルゼンチンは5度、フランスは3度決勝の舞台を踏み、ともに2度優勝を成し遂げている。

上写真=アルゼンチンのメッシとフランスのエムバペ。ともにここまで5ゴールを挙げている(写真◎Getty Images)

36年ぶりの優勝か? 60年ぶりの連覇か?

 11月20日にスタートしたカタール・ワールドカップは今日(日本時間18日24時)、いよいよ決勝を迎える。世界一を決める舞台に上がるのは、ともに3度目の優勝を狙うアルゼンチンとフランスだ。アルゼンチンは86年大会以来、36年ぶりの優勝を、フランスはイタリア、ブラジルに次ぐ60年ぶりの連覇を目指す。

 決勝までの道のりをひと言でいえば、アルゼンチンは「共存」、フランスは「盤石」だろうか。

 アルゼンチンは、苦しみながらも試合のたびに結束を高め、最適解を導き出すような戦いぶりで階段をのぼってきた。グループステージでは初戦でサウジアラビアに逆転負けを喫し、つまずくことになったが、続くメキシコ戦、ポーランド戦に2-0で快勝し、グループCの首位でラウンド16に駒を進めた。

 決勝トーナメントに入ると、16強でオーストラリアを下し、8強ではオランダとの壮絶な延長・PK戦を制す。厳しい試合を戦う中で、チームはメッシ依存ではなく、メッシ共存の最適解を見いだしたように映る。若い選手たちがメッシに頼らず、気を使いすぎることもなく、実に良いバランスでまとまりを見せるようになっていった。

 一方のフランスはグループステージでオーストラリア、デンマークに連勝して早々に突破を決めたあと、3戦目でチュニジアに不覚を取ったものの、首位で通過。決勝トーナメントに入ってからもポーランド、イングランド、モロッコを退け、勝ち上がってきた。

 その歩みはまさに順風満帆で、盤石。相手守備網をエムバペ、デンベレ、グリーズマンらの破壊的な攻撃力で易々と突破してしまう様は圧巻だ。準決勝では今大会の台風の目で、それまでオウンゴールによる1失点のみだったモロッコから2ゴールを奪ってみせた。

 ともにここまで5ゴールを記録し、得点ランキングのトップに並ぶアルゼンチンのメッシとフランスのエムバペの得点王争いも今回の決勝の見どころの一つだが、両選手は独力で局面を打開する力を持ちながら、周囲とのコンビネーションでネットを揺らすこともできる。チームにおける影響力が絶大な点も含め、その凄みを試合のたびに披露してきた。

 気になるのはメッシの状態だ。準決勝のクロアチア戦で1得点1アシストと活躍し、フル出場したものの、左鼠径部を気にするしぐさを見せており、決勝2日前の練習は欠場。チームとしてメッシの『使い方』が分かったが、その中心を失えば、やはり影響は免れない。

 対するフランスも準決勝前から体調不良の選手が相次いでおり、ラビオ、ウパメカノはすでに復調した一方で、コマン、コナテ、ヴァランらは2日前の練習に不参加。前日練習は全員がそろっていたが、チーム内にインフルエンザのような症状の選手が出ているとコロムアニは明かしている。決勝に万全のメンバーで臨めるかどうかは不透明な状況だ。

 両チームは過去にW杯で3度対戦している。1930年大会は1-0でアルゼンチンの勝利。78年大会も2-1でホスト国だったアルゼンチンが勝っている。この2試合はいずれも1次リーグで、2018年の前回大会で初めて決勝トーナメントでの対戦が実現(ラウンド16)。結果は4-3でフランスに軍配が上がった。エムバペが決勝点を含む2ゴールでチームを勝利に導いた。

 今回は、決勝で相まみえる。胸に3個目の星をつけるのはアルゼンチンか? それともフランスか? 

 運命の一戦は日本時間18日、24時にキックオフとなる。