IT業界の発展と企業間の交流を目的とするITサッカーリーグは、今年で19回目を迎えた歴史ある大会。今季はアイエックス・ナレッジ株式会社(IKI)、株式会社DYM、日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)、日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)、株式会社フォーカスシステムズのIT関連企業5社が参加し、総当たりのリーグ戦で順位を争っている。
第3節ではNSSOL対DYM、IKI対JBSの2試合が行われ、勝利したNSSOLとJBSがともに勝ち点を6に伸ばし、得失点差で上回るJBSが首位に立った。2強の様相を呈してきたが、今節試合のなかったFOCUSを含めて全チームに優勝の可能性は残っており、残り2節も熱い戦いが繰り広げられそうだ。
第1試合
NSSOL 1-0 DYM
キックオフからわずか30秒後に生まれたゴールが決勝点となった。開始早々、DYMのDF立花のパスをカットしたNSSOLのMF森がゴール前のFW矢野へパス。フリーで受けた矢野はDYMのGK川上の動きを冷静に見極め、右足アウトサイドで巧みにゴールに流し込んだ。思わぬ形で失点したDYMも気を持ち直し、そこから反撃に出たが、なかなかシュートまで持ち込むことができない。スコアは動かないまま時間が経過し、DYMが終了間際にコーナーキックを獲得するも、NSSOLの体を張った守備に跳ね返され、ここで試合終了。矢野の1点を守り切ったNSSOLが今季2勝目を挙げた。
【出場メンバー】
NSSOL:GK諸我俊、DF新沼由輝、吉田哲治、外間拓海、MF鈴木浩大、田中滉大(40分、藤田飛天)、森崇晃(40分、今井将太)、三宅一輝、長谷川諒、FW矢野将伍、原口徹(30分、大槻祐斗)
DYM:GK川上敏和、DF片岡新之介、立花皓之介、濱野雄大、永山稜真、MF大道脩平(30分、本山慎太郎)、佐藤大将、羽賀健太、澤口和哉、FW伊藤匠哉、加藤慎介
第2試合
IKI 1-5 JBS
第2試合も序盤に試合が動く。4分、ゴール前でフリーとなったIKIのMF中村が豪快にシュートを突き刺し、連勝を狙うIKIが先手を取った。しかし、その後はJBSが主導権を握ってゲームを進め、17分、右サイドの崩しからFW長尾が同点弾。27分には相手DFのクリアミスを拾ったMF風祭が左足で流し込み、前半のうちにJBSが逆転に成功した。後半に入ってもJBSは攻撃の手を緩めず、FW繁野、MF小野、DF和田が追加点を奪い、終わって見れば5-1の圧勝。キャプテンのDF戸塚は試合後、「しっかり盛り返せて良かった」と逆転勝利に手応えをにじませた。
【出場メンバー】
IKI:GK太田真司、DF白坂桂一、清水悟、藤野健太郎、湊谷仁、MF村関岳志、田村智弘、伊藤洋貴、中村修也、長田羽惟、FW杉山文一
JBS:GK稲井隆太、DF戸塚拓磨、古川雅稀、田中晴飛、和田健太、MF清都圭太(45分、小島陸)、小野翔矢、風祭佑太(45分、松尾瞭汰)、安達捷(40分、一場空杜)、FW長尾泰治(30分、鈴木良)、繁野竜介
第3節 MIP
FW矢野将伍(NSSOL)
キックオフ直後に訪れた最初のチャンスをしっかりとゴールに結びつけた。2トップの一角として前線で起点をつくるだけでなく、時に中盤に下がってパスを散らすなど、広範囲にわたるプレーエリアで存在感を見せつけた。
<Pick Up>
Z世代さんいらっしゃい
株式会社DYM
中村翔太(22歳)
第3節のDYMベンチには、スーツ姿で大声を張り上げる中村翔太さんの姿があった。その格好から想像されるのは当然、チームの監督であるが、話を聞いてみると入社1年目の新入部員だという。「高校まで野球をやっていて、サッカーの経験はほとんどないので、サッカー部では主に運転手です(笑)」。社員同士の間に壁がないのがDYMの社風だが、入社1年目の中村さんが先輩たちに向かって指示を送っていたことからも、年齢の垣根を超えた仲の良さが伝わってくる。開始早々の失点で敗れたこの日の試合を「監督」として振り返ってもらうと、「試合への準備が足りない」とぴしゃり。今季初勝利が期待される次節に向けて「今日来れなかったメンバーもいるので、今度はもっと集めたい」と、早くも翌週のチーム編成に考えを巡らせていた。