2002年に産声を上げて以来、毎年開催されてきたITサッカーリーグだが、2020年、2021年と2年連続で新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止を余儀なくされていた。3年ぶりの開催となった今大会、運営委員長を務める日本ビジネスシステムズ株式会社の鈴木良選手兼監督は開会式のスピーチで、「ITサッカーリーグの趣旨は、参加企業と選手の皆さんの活力を社会に発信していくことです。また、東日本大震災など災害時には寄付を募り、ボランティア活動も行ってきました。プレーだけでなく、そういった社会活動に積極的に携わっていただき、このリーグを盛り上げていきましょう」と、歴史あるITサッカーリーグの伝統をつないでいく決意を語った。
第1試合
NSSOL 3-0 FOCUS
FOCUSのチーム事情により試合が成立せず、大会規定によりNSSOLの不戦勝(3-0)となったが、JBSの選手数名がFOCUSに加わり、FOCUS・JBS合同チーム対NSSOLのエキシビションマッチが組まれた。ITサッカーリーグ初出場のNSSOLは、大会に向けて行ってきた準備の成果を如何なく発揮し、攻守両面でアグレッシブなプレーを披露。FOCUS・JBSは序盤こそ連係に苦しんだものの、徐々にチームメイトの特徴を把握して後半は盛り返し、サッカーを通じて企業間の交流を深めるという大会の意義を体現していた。
第2試合
IKI 0-0 DYM
先に攻勢を仕掛けたのは若手主体のメンバーで臨んだDYM。最前線の中村が起点をつくり、2列目の選手が果敢に飛び出して相手ゴールに何度も迫る。だが、IKI守備陣が粘り強い対応で決定的なチャンスはつくらせず、0-0のまま前半が終了。後半もDYMが押し込む時間帯が続き、右サイドの小藤のクロスを中村がダイビングヘッドで合わせてネットを揺らすも、これはオフサイドの判定でノーゴールに。運動量が落ちた終盤はオープンな展開となり、IKIの村関が得意のロングシュートを狙ったが、DYMのGK星野が好セーブを見せてゴールを許さず、結局スコアレスのまま試合は終了。互いに勝ち点1を分け合う結果となった。
【出場メンバー】
IKI:GK木崎大輔、DF清水悟、湊谷仁、福田康政、清水雅也(40分、白坂桂一)、MF村関岳志、田村智弘、伊藤洋貴、中村修也、河尾俊祐、山田匡史
DYM:GK星野大河、DF村山璃空、阿久津潤、小田原隆太、立花皓之介、MF濱野雄大、小林勇太(25分、城内勇人)、澤口和哉、小藤一東(54分、畑清陽)、増田隼人、FW中村斗紀弥
第3試合
JBS × JBS(エキシビションマッチ)
今節、試合のなかったJBSはITサッカーリーグの場を活用して紅白戦を実施。3大会ぶりの優勝を目指すチームは紅白戦でも気合い十分のプレーを披露し、試合さながらの激しい攻防を繰り広げた。例年、選手層の厚さを売りにしてきたJBSだが、この2年間で新加入選手も増え、チーム内の競争はさらに熾烈となっている。ピッチに立つ権利をつかむため、選手たちはそれぞれの持ち味を発揮して自らの存在をアピールし、鈴木良選手兼監督は「日本一盛り上がった紅白戦だと思います」と充実の表情を見せた。
第1節 MIP
GK 星野大河(DYM)
常にコーチングの声を絶やさず、最後方からチームを盛り立てた。後半、ロングシュートに対して2本連続でビッグセーブを披露し、勝ち点1獲得の立役者となった。
<Pick Up>
Z世代さんいらっしゃい
株式会社フォーカスシステムズ
MF 福籠 渉
今年で入社4年目を迎えたFOCUSの福籠渉選手。普段はシステムエンジニアとして働きながら、週末を中心にサッカー部の活動に参加している。「入社後の部活動紹介でサッカー部があることを知りました。幼稚園ごろからサッカーをやっていたので既定路線というか(笑)。社会人になるとサッカーができる場は限られるので、すぐに入ろうと思いました」。入社1年目の2019年からITサッカーリーグに参加しているが、コロナ禍で過去2年は中止となり、今回が2度目の出場となる。久々のフルコートでの試合を終え、「まずは疲れました(笑)」と苦笑いを浮かべながら、「サッカーを楽しみながら、今年は1点取れるように頑張ります」と意気込みを語ってくれた。