7月14日から17日(現地時間)までデンマークのコペンハーゲンで開催される『FIFA eワールドカップ2022』に、鹿島アントラーズのeスポーツチームに所属するナスリが出場する。2018年大会以来2度目の大会出場となり、今大会参加選手の中で唯一のアジア人ともなる。

上写真=鹿島アントラーズのエンブレムが刻まれたユニフォームをまとって世界と戦うナスリ(写真◎EA SPORTS社提供)

「まずはグループステージ突破を目指して頑張りたい」

 鹿島に所属し、eスポーツの日本代表でもあるナスリが、7月14日から17日(現地時間)までデンマーク・コペンハーゲンで開かれる『FIFA eワールドカップ2022』に出場する。eワールドカップとは、エレクトロニック・アーツ社のFIFA公認サッカーゲーム『FIFAシリーズ』で競い合う世界大会だ。ナスリは6月30日から7月3日(現地時間)までイギリス・ロンドンで行なわれた『FIFA22グローバルシリーズプレーオフ』でルーザーズ(敗者復活)トーナメントを勝ち上がり、自身2度目のeワールドカップ出場権を獲得した。

「北アジアの大会では3大会連続で優勝していますが、世界大会に出て勝てなくなると、アジアのeスポーツレベルを低く見られてしまうことにもなると思います。そのため、(プレーオフでは)アジアを背負って戦う気持ちがありました。そのトーナメントでヨーロッパの選手にも勝つことができ、アジアの選手でも世界で戦えることを証明できたと思います」

 そのように話すナスリは、アジア人として唯一のeワールドカップ出場者となる。大会に参加する32人がA~Dの4グループに8人ずつ分かれ、決勝トーナメントへ進む上位4枠を争う。グループステージでDグループに入ったナスリは、“優勝候補”と目される選手たちとも対戦する。

「僕のグループは優勝を狙えるような選手がいます。Damie選手(ポーランド)、DullenMIKE選手(ドイツ)、Matiasbonanno9選手(アルゼンチン)の3人は、過去にチャンピオンになった実績もある選手たちなので、僕にとっての壁になると思います。結構、突破が厳しいグループではあると思いますが、戦ってみなければ何が起こるかわかりません。僕自身の下馬評はそんなに高くはないけれど、まずはグループステージ突破を目指して頑張りたいです」

 ナスリが名前を挙げた同グループの3選手のほかにも、今大会には世界のトッププレイヤーが出場する。なかでも「グループCのNicolas99FC選手(アルゼンチン)」の名前を挙げ、「やはり世界で1番目か2番目に強い選手だと思っているので、戦ってみたい」と闘志を燃やす。「僕もチャンピオンを狙える可能性はあると思っていますので、彼らに食らいついていけたら」と、世界の頂点を目指して強敵たちに向かっていく。

「eスポーツではありますが、鹿島アントラーズの一員として、世界と戦うところをサポーターの皆さんに見てほしいし、そこで勝つ姿を見せたいと思っています。これまでの2年半、鹿島アントラーズで戦ってきて、クラブを背負う自覚や責任もあります。僕自身は今回、2回目のeワールドカップ出場となりますが、鹿島アントラーズの選手として世界大会に出場することは初めてです。この前のプレーオフのときもそうでしたが、応援してくれる人がいることで、僕も皆さんの気持ちを背負って戦うことができます。強敵ぞろいの大会ではありますが、自分の力を全部出して戦い、そして勝ちたいと思っています」

 ナスリが出場する『FIFA eワールドカップ2022』の模様は、鹿島アントラーズ公式You Tubeチャンネル( https://www.youtube.com/user/kashimaantlers12fd )でも配信される予定だ(初戦は日本時間14日24時30分ごろから配信開始)。鹿島のエンブレムを胸に、ナスリが世界との戦いに挑む。