上写真=トレーニング後、取材に応じた中島大嘉(写真◎スクリーンショット)
これからの自分に期待している
パリ五輪出場を目指すチームには今回が初選出となる。3月の国内合宿にもドバイカップにも、中島は選ばれていない。今回のトレーニングキャンプ参加は、所属する札幌での活躍が認められた結果だろう。
リーグ戦ではすべて途中から8試合に出場して2得点。ルヴァンカップでは1試合に先発し4試合は途中出場だが、その5戦で4ゴールを決めている。しかも高さと強さ、速さを発揮して。
「まだ6点しか取っていないので、(代表候補合宿)に呼ばれんくても全然、不思議じゃないなと思っていた」と本人は話したが、実際に招集されたことについて「自分の特長は見せられていると思うので、それを評価してもらえれば呼ばれるとは思っていました。選ばれたと聞いた時には『やっぱり見てくれてんねんな』と思いました」とコメント。また、自身の持ち味についても「自分のストロングのところは、持っている人が少ないと思う。それは自分もすごく、自分のこれからに期待している部分があって、なのでそういうところを評価してもらえたというのはすごくうれしいです」と説明した。「身長も高いし、上で止まれて人より高く飛べる」ヘディングで、J1でも存在感を示しつつある。
所属チームでの出場時間はまだまだ短いものの、2ゴールを叩き込んだルヴァンカップ、アウェーの柏戦できっかけをつかんだ。「一つ自分のターニングポイントになった試合だと思っているんですけど、ヘディングの高さや精度というのは、高校生のときからずっとやってきて、それを短い時間、タフな試合の中で安定して出せている」。代表参加への準備は、ここまでにしっかり整えてきたということだ。
2日間の練習を終え、まだまだ「馴染むのはこれから」という。「練習メニュー的にも、あまり自分のストロングは出せていないかなと思っていて、そういう練習の中でも何か、『あいつやるやん』というプレーは見せないといけない。そこが今の自分の課題で、この2日間でもまた再確認できています」と、課題にも向き合う。明日の大学選抜の練習試合に向けては「基本的に自分のやるべきこととできることをしっかり理解して、良い準備をしてピッチに入れば、2点、3点は取れると思っています。世間の人たちに注目されるような結果は提供できるかなと。ちょっとザワつかせたいなと思っています」と力強く語った。
歴史的な大会に出て「日本の国民のみなさんを喜ばせることができたら、一人の日本人として、素晴らしいことだと思う。今はすごくオリンピックに出て優勝したいと思っています」と2024年の五輪出場への意欲も示した。中島大嘉は今、パリに続く道を歩き始めている。