Jリーグ全58クラブのシャレン!(社会連携活動)の中から、特に社会に幅広く共有したい活動を表彰する『2022Jリーグシャレン!アウォーズ』の結果が発表された。活動内容を評価された6クラブが各賞を受賞している。

上写真=オンライン開催の『シャレン!アウォーズ』の進行を務めたJリーグの髙田春奈理事と中村憲剛特任理事(写真◎スクリーンショット)

2000を超える活動から選出

 Jリーグが推進している『シャレン!(社会連携活動)』とは、社会課題や共通のテーマ(教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など)に、地域の人・企業/団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して取り組む活動のこと。3者以上の協働者と共通価値を作る活動が想定されており、各クラブが地域の事情などに応じて様々な活動を行なっている。
 
 今年で3回目となる『2022Jリーグシャレン!アウォーズ』は、『Jリーグアウォーズ』のように各クラブの活動を表彰するもので、2021年シーズンに行なわれた2000を超えるシャレン!活動の中から、各クラブがエントリーした58の活動を候補として、最終的に3種類の賞を選考。5月10日にオンラインで開催され、Jリーグからは野々村芳和チェアマン、髙田春奈理事、中村憲剛特任理事が出席した。

 各賞の受賞活動/クラブ、活動内容などは以下の通り。活動の詳細なリポートはシャレン!のホームページでも公開されている。

●ソーシャルチャレンジャー賞(※選考基準:その地域にある社会課題解決に対してチャレンジしていること)

■受賞クラブ:いわてグルージャ盛岡
・活動名:ゴミで繋ぐ未来へのパス、グルージャごみゼロPJ
・活動概要:「スタジアムから出るごみを少しでも削減したい」という思いからスタート。ゴミを堆肥化、堆肥肥料をグルージャ米プロジェクトで活用し、できたお米を子ども食堂へ活用。地域スポーツを応援することをきっかけとしたゴミ問題解決と社会連携を目指した循環型のプロジェクト

■受賞クラブ:FC琉球
・活動名:FC琉球県産品&子ども応援プロジェクト
・活動概要:FC琉球の選手やスタッフが、コロナ禍の影響を受ける県産品(農水産品)の流通促進や、同じくコロナ禍の影響を受ける沖縄県内の子ども達の食糧支援や自立支援を行なったプロジェクト

●パブリック賞(※選考基準:国や自治体が掲げる政策を活用し、地域の課題解決に向けて、多様なステークホルダーと連携し、持続可能な活動となるように取り組んでいること)

■受賞クラブ:松本山雅FC
・活動名: スタジアムトイレに生理用品の設置と生理への理解
・活動概要: 子どもたちの生理の貧困・生理に対する知識が浅いという課題に着目し取り組んだ活動。フェムケアに関する講習(Feminine〈女性の〉とケア〈Care〉を掛け合わせた用語)を行ない、試合の有無に関わらず、スタジアムトイレに生理用品を設置

■受賞クラブ:ヴィッセル神戸
・活動名: 神戸市新型コロナワクチン接種会場の運営協力活動
・活動概要: ノエビアスタジアム神戸をワクチン接種会場として提供することを打診し、『産学官』計19者連携、約7カ月間にわたり安心安全な会場運営を実施。累計36万7135回、約18万人の市民がノエスタに来場。有事にスタジアムを最大限活用し、試合運営で培ってきたノウハウを接種会場に落とし込んだ

●メディア賞(※選考基準:記者として、自身の媒体に取り上げたいと思う活動であること)

■受賞クラブ:カターレ富山
・活動名: Be supporters!サポーターになろう!
・活動概要:高齢者・認知症の方など普段は周囲に「支えられる人」が「支える人」となるプロジェクト。誰かを『推す』『応援する』ことで施設にワクワクとトキメキがあふれ、誰も予想しなかった数々の「つながり」と「幸せな物語」が生まれ、高齢者に起きた変化には医学の専門家も注目している

■受賞クラブ:ガイナーレ鳥取
・活動名: サッカーだけじゃない、地域で共創する夜のスタジアム
・活動概要:試合がない日でも地域の方々に使っていただけるスタジアムがあってもいい。そんな思いから生まれた新しいスタジアムの活用方法。行政と、地域の元気な企業との共創による新たなスタジアムの使い方が「夜宴スタジアム」

シャレン!ホームページ
https://www.jleague.jp/sharen/