UEFAチャンピオンズリーグの準決勝第2レグが3日に行われ、ビジャレアル(スペイン)とリバプール(イングランド)が対戦した。第1レグで2-0と勝利を収めていたリバプールは前半のうちに2点をリードされるが、後半、地力を示して3得点。2試合合計5-2で勝ち切り、3季ぶりの決勝進出を決めた。

上写真=チームの1点目を挙げたファビーニョ(写真◎Getty Images)

前半にビジャレアルが2点を先行も…

 試合開始から勢いを持ってプレーしたのは、第1レグを0-2で落としていたビジャレアルだった。開始早々の3分にブライユ・ディアが先制ゴールを叩き込む。左からのペルビス・エスピニャンのクロスをエティエンヌ・カポエがダイレクトで折り返し、ディアが右足を振った。

 ホームのエスタディオ・デ・ラ・セラミカが熱狂に包まれたのは言うまでもない。第1レグのビハインドを取り返すべく、その後もビジャレアルは前向きなプレーを持続し、ゴールを目指した。すると前半終了直前の41分にフランシス・コクランがスコア。2-0として、第1レグでつけられたリバプールとの『差』を詰めて、2試合合計スコア2-2として、ゲームを振り出しに戻してみせた。

 だが、後半は2015年から指揮を執るユルゲン・クロップ体制下のチームの中でも史上最強との呼び声が高いリバプールがその力を存分に発揮する。ファビーニョが第3列から攻め上がり、モハメド・サラーとのパス交換からボックス内に進入。そのまま右足を振って、62分にまず1点。さらにディオゴ・ジョタに代わって後半開始から登場したルイス・ディアスがトレント・アレクサンダーアーノルドのクロスに飛び込み、ヘッドを叩き込んで、67分には同点に追いついた。

 そして74分、自陣からのロングカウンターで抜け出したサディオ・マネがGKもかわして勝ち越しゴールを決め、リバプールが3-2と逆転に成功。2試合合計で5-2とすると、そのままアウェーチームが押し切った。

 前半開始直後から流れをつかみ、実際にゴールも記録したビジャレアルだが、選手を交代させながら攻め筋を探り、好機と見るや畳みかけるリバプールの強さを封じ切ることはできなかった。ポゼッションは五分五分だったものの、シュート数はリバプールの15本に対し、ビジャレアルは5本。今大会、台風の目となったビジャレアルはこの試合でも積極性を見せ、とくに前半は素晴らしい戦いぶりを披露したが、選手層の厚さ、勝負どころを逃さない集中力というカップ戦を制するために必要な要素はやはり、CL常連のリバプールの方が上回っていた。

 チームとしての総合力と完成度の高さを示したリバプールが3シーズンぶりに決勝進出を決めた。