2024年のパリ五輪出場を目指すチームが中東、UAEで躍動している。U-21日本代表は「ドバイカップU-23」の第2戦でU-23カタールと対戦。世代的に上の選手が多い相手に、日本は躍動感あふれるプレーを見せて、2-0と快勝した。

上写真=ドバイカップU-23の第2戦、カタール戦に先発したU-21日本代表のメンバー(写真◎JFA/PR)

■2022年3月26日 ドバイカップU-23(@UAE・ドバイ)
U-23カタール 0-2 U-21日本
得点:(日)斉藤光毅、山本理仁

U-23カタール対U-21日本の布陣

A代表に負けないグループへの歩み

 この日のカタール戦前日の囲み取材で、大岩剛監督は、A代表が敵地でオーストラリアを下してW杯出場を決めたことに触れ、U-21代表の選手たちと、あの水準に到達するには「一筋縄でいかないし一足飛びにはいかない」ことを共有し、その上で「A代表に負けないようなグループにしたい」と力強く語った。

 そんな指揮官の意気込みがピッチに表れたようだった。序盤はパスミスも見られ、相手の技術の高さと正確なパスワークに揺さぶられる場面も見られたが、要所を締めて日本は決定的な場面を作らせない。時間の経過とともにボールを持てるようになり、厳しい暑さのなかでも選手が躍動し始めた。

 鋭いアプローチからボールの争奪戦に挑み、攻撃の局面ではボールホルダーをしっかりサポート。監督が求める強度の高さと素早い切り替えでペースを握っていく。前線では斉藤がシュートへの意欲を示し、細谷が何度も裏を突き、甲田が突破を仕掛けていった。荒木の正確なキック、川崎の機を心得た攻め上がりや松木の強さ、小久保の好守など、日本の選手たちがその持ち味をピッチで発揮しした。

 前半を0-0で折り返すと、53分に日本が先制ゴールを記録する。右サイドに流れてパスを受けた細谷がそのまま縦を突き、早いタイミングでクロスを供給。ボックス内でボールを収めた斉藤が相手DFの動きを見つつ、右足でシュートを放ち、見事にネット揺らした。

 その後も攻めの姿勢を保ち、球際の強さを示した日本は、ゲーム終盤の86分にもゴールを記録する。左CKの場面、途中出場の鈴木唯が入れたボールは一度相手にクリアされるが、ボックス外に構えていた山本が誰より早く反応。左足のジャンピングボレーでボールをとらえ、シュートをネットに突き刺した。

 試合はそのまま2-0で終了。ボール支配率はほぼ互角ながら、放ったシュートはカタールの8本に対し、日本は18本。相手はU-23の選手が多く、パリ五輪世代のU-21の選手で構成される日本の方が世代として下のチームということになるが、内容では上回っていた。

 前の試合から大幅にメンバーを替え、連続で先発したのはキャプテンマークを巻いた半田、斉藤、甲田だけだったが、チャンスを得た選手たちがチームとして戦う中でも自身の持ち味を発揮せんと、終始積極的にプレーした。目指す場所はもちろん、まだまだ先にある。ただ、そこへ向かっていく強い思いと姿勢が、しっかり示された90分だった。