11月11日、FIFAワールドカップ・アジア最終予選の第5節、オーストラリア対サウジアラビア戦がパラマタで行なわれた。グループB首位のサウジアラビアとオーストラリア(豪州)の試合結果は、4位につける日本にとっても重要だったが、互いにチャンスを迎えながらも決め切れず、結果はスコアレスドロー。互いの勝ち点差3ポイントが縮まることはなかった。

上写真=激しい雨の中で勝利への意欲を示した両チーム。一触即発の場面も見られた(写真◎Getty Images)

■2021年11月11日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・B組第5節(@オーストラリア・パラマタ)
オーストラリア 0-0 サウジアラビア

前半は豪州、後半はサウジが攻勢に出る

 アジア最終予選で日本と同じグループBの首位に立つサウジアラビアと2位オーストラリアが対戦した。試合前、両チームの勝ち点差は3ポイント。ホームのオーストラリアが勝利をすれば勝ち点で並ぶ状況だった。

 試合開始直後は積極果敢なハイプレスを狙って前に重心をかけるオーストラリアが優勢となるが、サウジアラビアも要所を締めてゴールを許さなかった。10分過ぎからはややゲームが落ち着き始め、互いにポゼッションしながら相手ゴールを目指す展開になっていく。

 ポゼッションはほぼ互角の展開だったものの、オーストラリアが5本のシュートを放ったのに対し、サウジアラビアは1本と、前半はホームチームの攻めが目立った。ただ、ネットは揺れず、0-0のまま後半に突入した。

 後半開始直も前半同様にギアをあげたオーストラリアが攻勢に出る。激しい雨によりスリッピーになったピッチにボールを走らせ、ゴールに迫った。59分に浮き球パスに反応したレッキーが狙うもサウジの守護神アルヤミにストップされ、60分にはメイビルのパスに反応したアービンがボックス内からシュートを放ったが、わずかに枠を逸れた。65分にはメイビルの直接FKのこぼれ球をボイルが右足ボレーで狙ったが、これまたGKの攻守に阻まれた。

 押し込まれながら耐えしのいでいたサウジアラビは、75分にビッグチャンスを迎える。相手最終ラインの背後へのロングボールを競り合いながらも収めたアルファラジが粘ってシュートに持ち込んだ。GKライアンの正面を突いてしまい、ストップされたが、攻め疲れの見え始めたホームチームをひやりとさせる。このプレーをきっかけにサウジアラビアが押し込む展開になっていった。

 81分には流れるようなパスワークで守備網を突破し、ボックス内で巧みなワンツーを成立させたアルドサリがシュートを放つも、再びGKに止められた。さらに83分には左からのクロスをアルシェハリがヘッド狙ったが、右ポストを直撃。終盤はサウジアラビアの攻勢。対するオーストラリアは良い形でボールを前に運べず、自陣でプレーする時間が長くなった。

 しかし、互いにチャンスを迎えながらも最後まで決め切れず、試合は0-0でタイムアップ。結果、順位は変わらず1ポイントを分け合った。今予選で4連勝していたサウジアラビアにしてみれば、初めてポイントを失うことになったが、2位チームとアウェーでドローは悪くない結果だろう。一方で、首位と勝ち点で並ぶチャンスを逸したオーストラリアにとっては悔しい結果となった。