日本代表のDF長友佑都は9日、ベトナム戦を2日後に控えてオンライン取材に臨んだ。所属するFC東京ではショッキングな出来事が続いたが、経験豊富な日本代表のサイドバックは移動による疲労の色を感じさせず、爽やかな表情で試合への意気込みを語った。

上写真=強さを知っているからこそ、ベトナムに対する警戒を緩めない長友佑都(写真◎小山真司)

「ベトナムは非常にいいチーム」

 カタール・ワールドカップアジア最終予選で、ここまで4試合を戦い2勝2敗で4位につける日本は、順位を上げていくためにも連勝し、勝ち点6を手に入れたいところ。11月シリーズの初戦の相手、ベトナムは現在、0勝4敗で最下位だが、長友は「難しい試合になる」と警鐘を鳴らす。

「(ベトナムの)試合を見ましたけど、後ろのスペースをしっかり消して、前にはボールを運べる選手やアジリティーのある選手、スピードのある選手がたくさんいた。(日本が)攻めたあとのカウンターとかが彼らの強みだと思うので、しっかりとケアしたり、(守備の)連動性を高めないと」

 ベトナムとは、2019年1月にUAEで行なわれたアジアカップの準々決勝で対戦している。57分に堂安律があげたゴールで1-0で勝利した試合に、長友もフル出場していた。今回の最終予選では結果を出せずに苦しんでいるものの、「アジアカップのときの彼らの印象が本当に強くあって、非常にいいチーム。(1-0で)試合には勝てたけど、非常に難しい試合で強かった」と話し、「そんな彼らが勝ち点をまだ取れていないというのはちょっと不思議だなと感じている」と、その印象を語った。

「前半に点を取られてもおかしくないシーンがあったし、チャンスをつくられたシーンがたくさんあった」とも回想する長友だからこそ、気を引き締めてこの試合に臨むつもりだ。

 自身は今夏にFC東京に復帰し、9月18日のJ1第29節・横浜FCから7試合連続でフル出場。今月6日のJ1・横浜FM戦では同じ日本代表のFW前田大然にハットトリックを許すなど、0-8で大敗を喫している。翌7日には長谷川健太監督が辞任を表明した。所属クラブが難しい状況に直面するの中で、迎える代表戦。メンタル面が気になるところだが、その心配はあまりなさそうだ。

「これまでも難しい状況とか逆境を何度も乗り越えてきた。チームで難しいことがあっても、切り替えてやってきた。2008年から(日本代表で)やっているので、僕自身は頭を切り替えるのに慣れてもいる」

 すでにベトナム戦へ集中を高めていた。「試合に出れば、攻守においてチームに貢献できるように、頑張りたい」。10月にオーストラリアに勝ったことで、「チームとして自信になるし、光が見えたような試合ができたかなと思う」とも話した。その光をさらに太く、より確かなものにするために11月シリーズに臨む。