U-22日本代表は28日、『AFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選』の香港戦に臨み、4-0で勝利を飾った。守備的な相手から先制ゴールを奪い、チームを乗せたのがFW藤尾翔太だ。後半にも1ゴールを挙げて2得点。勝利に貢献した。

上写真=水戸での活躍が認められて招集された藤尾翔太。香港戦で結果を出した(写真◎山口高明)

■2021年10月28日 AFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選(@Jヴィレッジ)
香港 0-4 日本
得点:(日)藤尾翔太2、郷家友太、細谷真大

みんなが取っていて結果を残したかった

 相手に引いて守られた中で、藤尾はその持ち味を発揮した。畑大雅の左からのクロスを頭でとらえて先制点。ボックス内で相手よりも先にボールに触り、先制点を記録した。チームが攻めあぐんでいた時間帯の得点であり、その意味からも価値あるゴールになった。

「1試合目のカンボジア戦で途中から出たのですが、みんなが点を取っていて、ベンチから見ていて結果を残したいという気持ちは強かったです。2試合目で結果を残せて、チームで一番点が取れたので良かった」

 この日の藤尾は、1度ネットを揺らしただけでは満足しなかった。後半にも同じように空中戦を制してゴールを重ねた。右CKの流れから左に展開されたボールを佐古真礼が受け取ると、ボックス内で絶妙なポジションを取った藤尾にクロスを届けた。相手GKのいない場所へ、ボールを叩き込んだ。

「あれだけ引かれると、真ん中からの崩しは難しくなる。サイドからのクロスに合わせるイメージは試合前からあったので、決められて良かった」

 狙い通り、藤尾はサイド攻撃の終着点としての役割を果たした。スペースを見つけ、空間を認知し、相手より良い体勢をつくって、ボールをとらえる。刻んだ2ゴールは、FWとしての能力の高さが凝縮していた。

 6月に育成期限付き移籍でセレッソ大阪から水戸ホーリーホックに加入し、ここまで16試合で6得点を決めている。9月26日の金沢戦(31節)からは出場した3試合で連続ゴールを決めるなど好調を維持していた。その力を代表でもしっかり示した格好だ。

 今予選で連勝した日本は来年6月に開催予定のU-23アジアカップへの出場が決まった。代表では同大会が最初の目標になる。今回招集されたもう一人のFW、細谷真大(柏レイソル)も2試合で通算2ゴールを挙げている。さらに今予選に参加していないライバルも多い。パリ五輪出場を目指すとなれば、なおさら競争は激しいものになるだろう。生き残っていくために必要なものを問われると、藤尾は答えた。

「まずは日常のチームや試合でほかのFWよりも得点を取っていかないといけない。同世代のFWに負けないように、結果で示していきたいと思います」

「水戸に来る前はあまり試合に出られていなかった状況で、水戸で結果を残して代表に選ばれたのは良かったですが、またここから代表に来て結果を残すことも大事。そこは続けていきたい」

 クラブに戻っても継続して結果を出すと誓う。その言葉は強い覚悟を感じさせた。

 FW藤尾翔太は、結果だけが、つまりはゴールだけが、自らの道を切り拓くと知っている。