10月2日のYogibo WEリーグ第4節で、サンフレッチェ広島レジーナとアルビレックス新潟レディースが対戦。前半に新潟Lが先制したが、S広島Rも前半のうちに追い付き、その後はスコアが動かず引き分けに終わった。

上写真=激しく競り合ったS広島Rと新潟Lだが、両者譲らず引き分け(写真◎石倉利英)

■2021年10月2日 WEリーグ第4節(@広域第一:観衆1,078人)
S広島R 1-1 新潟L
得点=(広)上野真実
   (新)道上彩花

・S広島Rメンバー◎GK木稲瑠那、DF松原優菜、左山桃子、中村楓、木﨑あおい、MF柳瀬楓菜、小川愛、川島はるな(74分:谷口木乃実)、FW島袋奈美恵(74分:立花葉)、上野真実、山口千尋(66分:中嶋淑乃)

・新潟Lメンバー◎GK平尾知佳、DF山谷瑠香(81分:浦川璃子)、イ・ヒョギョン、三浦紗津紀、北川ひかる、MF滝川結女、茨木美都葉、園田悠奈(90分:武田あすみ)、上尾野辺めぐみ、FW石淵萌実(71分:千野七海)、道上彩花

S広島Rはホームで初の勝ち点

 さわやかな秋晴れの広島地方は試合開始前から強い日差しが照り付け、公式記録の気温は27・3度。湿度は42パーセントと低かったものの、日の当たる場所では相当な暑さを感じる厳しいコンディション下での一戦となった。

 最終ラインからのパスワークと左右を幅広く使った攻めで攻め込もうとするS広島Rに対し、新潟Lもセットプレーなどでゴールをうかがう。しばらく一進一退の攻防が続いたが、S広島Rのミスが増え始めた21分、新潟Lが先制点を奪った。敵陣深くまで攻め込んだ後の相手のスローインをMF茨木がカットし、拾ったFW道上がエリア内右サイドへ侵入。相手DFに寄せられながらも振り切り、角度のないところから右足を振り抜くと、強烈なシュートがクロスバーに当たって下にはね返り、ネットを揺らした。

 道上の3試合連続ゴールで均衡を破った新潟Lに対し、広島は少しずつ落ち着きを取り戻し、パスがつながるようになっていく。37分には左サイドでボールを持ったFW山口がカットインから中央にセンタリングを送ると、中央で待っていたFW上野がヘッドでうまく合わせ、ファーサイドのネットを揺らして同点。ホーム開幕戦の第2節で0-2の完封負けを喫しているS広島Rにとっては、これが記念すべきWEリーグでのホーム初得点となった。

 1-1で迎えた後半も両者の競り合いが続き、ゴール前まで攻め込む場面もあるが、お互いの守備陣の粘りもあって決定機には至らない。S広島Rは交代出場したFW中嶋が持ち味のスピードを生かしたドリブルでチャンスを作り、個々の立ち位置も良くなってパスがつながるようになるが、新潟もMF上尾野辺が幅広く動いてパスを引き出し、奪ったボールの経由地となって良い形を作り出した。

 終盤は両チームがセットプレーやサイドアタックで勝利に近づく1点を目指したが、両チームの守備陣が最後まで集中力を保って2点目は生まれず。結局そのまま1-1で勝ち点1を分け合う形となった。

 前節でWEリーグ初勝利を挙げた新潟Lは、アウェーで連勝こそならなかったが、村松大介監督は「ちょっとしたスキで失点して1-1にしてしまい、ゲームを苦しくしてしまいましたが、2-1まではいかなかったにせよ、最後まで選手たちは頑張ってくれたんじゃないかと思う」とコメント。一方、開幕戦勝利後の連敗を2で止め、ホームで初の勝ち点を獲得したS広島Rの中村伸監督は「試合を通じて押し込む形まではたくさん作れたので、最後の仕留めるところ、仕留める形をもっと増やしていくこと。継続してやっていかなければいけないと思っている」と今後の課題を挙げた。

現地取材・写真◎石倉利英