8月6日、東京五輪の女子サッカー決勝でスウェーデン女子代表とカナダ女子代表が対戦した。スウェーデンが先制したがカナダが追い付き、延長を経て突入したPK戦をカナダが制し、初優勝を飾っている。

上写真=カナダがPK戦を制して初優勝!(写真◎Getty Images)

■2021年8月6日 サッカー女子決勝(@横浜国際総合競技場)
スウェーデン女子 1-1(PK2-3)カナダ女子
得点:(ス)スティナ・ブラックステニウス
   (カ)ジェシー・フレミング

・スウェーデン女子メンバー◎GKヘドビグ・リンダール、DFハンナ・グラス、アマンダ・イレステット(120分:エンマ・クルベリ)、ナタリエ・ビョルン、マグダレナ・エリクソン(75分:ヨンナ・アンデション)、MFフィリッパ・アンゲルダル(75分:ハンナ・ベンニソン)、カロリネ・シガー、フリドリナ・ロルフォ(延長HT:アンナ・アンベゴール)、コソバレ・アスラニ、ソフィア・ヤコブソン(75分:リナ・ハーティグ)、FWスティナ・ブラックステニウス(延長HT:アンナ・アンベゴール)
 ※実際のポジションで表記

・カナダ女子メンバー◎GKステファニー・ラビー、DFアシュリー・ローレンス、バネッサ・ジル、カディーシャ・ブキャナン、アリシャ・チャップマン(93分:ジェード・リビエール)、MFデジレー・スコット(120+1分:シェリナ・ザドースキー、レベッカ・クイン(HT:ジュリア・グロッソ)、ジェシー・フレミング、クリスティン・シンクレア(86分:ジョーディン・ハイテマ)、ジャニン・ベッキー(HT:アドリアナ・レオン)、FWニシェル・プリンス(63分:ディアン・ローズ)
 ※実際のポジションで表記

試合終了は23時47分

 女子サッカー決勝は当初、8月6日11時から東京・国立競技場で行われる予定だった。しかし直近数日間の高温の影響を踏まえ、国際サッカー連盟、国際オリンピック委員会、東京2020組織委員会で協議した結果、前日になって開始時間を21時に、会場を横浜国際総合競技場に変更。ナイトゲームで女王の座が争われることになった。

 立ち上がりからスウェーデンが武器である両サイドからの攻めを繰り出すものの、カナダもFWプリンスのスピードと個人技が光り、カウンターから良い形を作り出す。それでもスウェーデンは徐々にボール支配率を高め、じわじわとゴールに迫った。
 
 カナダも何とかしのいでいたが、34分にスウェーデンが均衡を破った。敵陣の高い位置でボールを奪うと、右サイドをドリブル突破したMFアスラニがセンタリング。FWブラックステニウスが右足で合わせると、カナダDFジルの股間を抜けてネットを揺らした。ブラックステニウスはドイツに1-2で敗れた2016年リオデジャネイロ五輪決勝に続く、2大会連続の決勝での得点となった。

 カナダは後半開始から2人を交代で送り込み、投入されたMFレオンが鋭い突破を見せるなど、攻撃の圧力を強めていく。64分には左からのセンタリングに飛び込んだMFシンクレアが、エリア内でスウェーデンDFイレステットに倒されたかに見えたが、主審は笛を吹かなかった。しかしVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入し、オンフィールドレビューの末にPKの判定。1-0で勝ったアメリカとの準決勝でもPKで決勝点を奪っているMFフレミングが、再び決めて同点とした(得点時間は67分)。

 その後は勢いづくカナダ、盛り返そうとするスウェーデンがお互いにチャンスを作るものの、追加点は生まれず。タイトルをめぐる争いは15分ハーフの延長に突入した。

 延長は両チームが攻め合うオープンな展開となるも、疲れの影響もあってか双方ともゴール近くまで入り込めず、ミドルシュートも枠を捉えない。スウェーデンは延長のハーフタイムに2人を交代で投入し、残り15分での勝ち越しを狙ったが、そのままスコアは動かず。優勝の行方はPK戦に委ねられた。

 PK戦は両GKの活躍もあって決まる場面が少なかったものの、先攻のスウェーデンが2-1とリード。5人目のMFシガーが決めれば優勝だったが、大きく上に外してしまった。カナダの5人目が決めて迎えた6人目、スウェーデンDFアンデションのキックをカナダGKラビーが止め、カナダはMFグロッソがGKに触られながらも決めて勝負あり。試合終了は23時47分という深夜のPK戦を制したカナダが初優勝を果たし、東京の女王の座に就いた。