7月27日の女子サッカー1次リーグ第3戦では準々決勝進出をかけた熱いバトルが続いた。F組ではブラジルとザンビアが対戦。開始10分でザンビアの選手が退場、GKが負傷交代、直後のFKで失点と災難続きで、結局この1点が決勝点に。ブラジルがベスト8入りを果たし、準々決勝でカナダと対戦することが決まった。

上写真=ブラジルが1-0で逃げ切って2勝目、オランダに続く2位で突破を決めた(写真◎Getty Images)

■2021年7月27日 サッカー女子1次ラウンドF組(@埼玉スタジアム)
ブラジル 1-0 ザンビア
得点者:(ブ)アンドレッサ

・ブラジルメンバー:GKバーバラ、DFレティシア・サントス、ポリアナ(65分、ブルーナ・ベニテス)、ラファエレ、ジュシナラ、MFフォルミガ(46分、ジュリア)、アンジェリナ、マルタ(46分、ドゥダ)、アンドレッサ(81分、デビーニャ)、FWルドミラ(65分、ゲイス)、ベアトリス(28分、ジョバナ)
・ザンビアメンバー:GKヘーゼル・ナリ(16分、ヌガンボ・ムソル)、DFマーガレット・ベレム、アグネス・ムサセ、ルショモ・ムウェンバ、マーサ・テンボ、MFグレース・G・チャンダ、イリーン・ルング、アベル・チトゥンドゥ(18分、バスト・フィリ)、レーチェル・クンダナンジ(90+3分、エバリン・カトンゴ)、FWバブラ・バンダ、オチュンバ・ルバンジ

ザンビアはエースのバンダが抑え込まれて初の無得点

 ザンビアをまさかの事態が襲ったのが、わずか10分のことだった。

 ブラジルがロングパス一本でザンビアの裏のスペースへルドミラを走らせたが、GKヘーゼル・ナリが勇気を持って前に出て体ごとブロック。失点を防いだ。

 ところが、VARチェックを経て主審がオンフィールドレビュー、シュートの瞬間にザンビアのDFルショモ・ムウェンバが背後から足を出して引っ掛けていて、この結果、ムウェンバは退場処分となった。このファウルで、ペナルティーエリアのすぐ外からブラジルにFKが与えられた。さらに、この激突によってザンビアはGKナリが負傷交代を余儀なくされたため、代わって入ったばかりのヌガンボ・ムソルがいきなりブラジルのFKに対応することになった。突然の交代で慣れないままゴールに立ったのを見透かしたように、アンドレッサが左足できれいにゴールに蹴り込み、先制ゴールを決めた。

 ザンビアにとっては、退場で一人少なくなり、GKが負傷交代し、直後のファーストプレーのFKで失点する、という悔やんでも悔やみきれないシーンになった。

 こうなると、ザンビアの頼みは、ここまで2試合連続ハットトリックの離れ業をやってのけたエースのバブラ・バンダだ。1人少ない陣容で前線にバンダを残し、奪ったら素早く送り込んでいったのだが、ブラジルの守備陣が1枚上手。特にセンターバックのラファエレが巧みに寄せたり、あるいはあえて距離を置いたりの駆け引きでバンダを完封した。

 ブラジルも追加点を挙げられないままだったが、主力のマルタとフォルミガを前半のみのプレーにさせるなど、準々決勝以降の戦いも見据えたゲームマネジメントで、1-0で逃げ切り。勝ち点を7に伸ばしてグループ2位となって、準々決勝ではスウェーデンと対戦することになった。

 ザンビアはバンダの快足を生かした派手な攻めで大会を盛り上げたが、残念ながら1分け2敗で大会を去ることになった。

■グループF順位表
1 ※オランダ(勝ち点7/2勝1分け/21得点・8失点/得失点13)
2 ※ブラジル(勝ち点7/1勝1分け/9得点・3失点/得失点6)
3 ザンビア(勝ち点1/1分け2敗/7得点・15失点/得失点-8)
4 中国(勝ち点1/1分け2敗/6得点・17失点/得失点-11)
※決勝トーナメント進出決定