東京五輪の女子サッカー競技は7月24日、1次リーグの第2戦を戦った。G組では、ニュージーランド女子代表とアメリカ女子代表が対戦。前節、スウェーデン女子代表に苦杯をなめたアメリカが鬱憤を晴らすかのようにゴールを重ね、2019年の女子W杯王者の実力を示した。

上写真=この日は途中出場でゴールを決めたモーガン(写真◎Getty Images)

■2021年7月24日 サッカー女子1次ラウンドG組(@埼玉スタジアム2002)
ニュージーランド女子 1ー6 アメリカ女子
得点:(ニ)ベッツィー・ハセット
   (ア)ローズ・ラベル、リンジー・ホラン、オウンゴール2、クリステン・プレス、アレックス・モーガン

・ニュージーランド女子メンバー:GKアナ・リート、DFシ・ボット、メイケーラ・ムーア、アビー・アーセグ、アリ・ライリー、MFデージー・クレバリー(80分:ガビ・レニー)、リア・パーシバル、ベッツィー・ハセット(87分:アネリー・ロンゴ)、ケーティー・ボーエン、オリビア・チャンス(65分:ページ・サッチェル)、FWハナ・ウィルキンソン

・アメリカ女子メンバー:GKアリッサ・ネイハー、DFエミリー・ソネット、アビー・ダールケンパー、ティエルナ・デービッドソン、クリスタル・ダン(84分:ケーシー・クルーガー)、MFローズ・ラベル(67分:サマンサ・ミューイス)、ジュリー・アーツ、リンジー・ホラン(84分:カタリナ・マカリオ)、FWトビン・ヒース、カーリ・ロイド(74分:アレックス・モーガン)、メーガン・ラピノー(68分:クリステン・プレス)

本来の怖さと強さを取り戻した90分

 前半、ラベルとホランの得点でリードを奪うと後半はオウンゴールによる2点を含む4ゴールを集めた。アメリカは前節のアメリカではなかった。もちろん、相手の力が違うこともあるだろう。コンディションが上がってきたこともあるかもしれない。ただ、前節見られなかった鋭い出足とダイナミックなプレーがこの日はピッチで表現されていた。

 とりわけ目についたのが、シュート意識の高さだ。少々強引なプレーも見られたが、それこそがアメリカの怖さであり強さだ。無理やりゴールをこじ開ける迫力が、他のチームにはない本来の特長だろう。その姿勢が相手守備陣を後手に回らせ、後ろ向きの守備を余儀なくさせる。オウンゴールによる2得点も、そんなアメリカの姿勢の表れといっては言い過ぎか。プレスやモーガンらこの日は途中から出た選手たちもきっちり得点し、層の厚さも相変わらず。ニュージーランドの反撃を1点に抑えての圧勝。前節、無敗記録が44試合で止まり、スウェーデンに出鼻をくじかれたことで逆に怖くて強いアメリカが目覚めた印象も受ける。何より本来の強気で攻める姿勢を確認したという点で、この日の勝利は世界王者にとって大きいものになっただろう。