東京五輪男子サッカーの1次リーグB組では、ホンジュラスとルーマニアが顔合わせ。攻守に組織的にプレーするルーマニアに対し、ホンジュラスがパワーとスピードで対抗していく展開になった。前半アディショナルタイムに挙げた1点をルーマニアが守り切る格好で、勝ち点3を手に入れた。

上写真=前半アディショナルタイムに先制し、ルーマニアの選手たちが喜びの輪。虎の子の1点を守りきった(写真◎Getty Images)

■2021年7月22日 サッカー男子1次ラウンドB組(@茨城カシマスタジアム)
ホンジュラス 0-1 ルーマニア
得点者:(ル)オウンゴール

・ホンジュラスメンバー:GKアレクス・グイティ(46分、マイケル・ペレジョ)、DFエルビン・オリバ(88分、クリストファー・メレンデス)、デニル・マルドナド(88分、カルロス・メレンデス)、ジョゼ・ガルシア、ウェスリー・デカス、MFカルロス・ピネダ、ジョルジュ・アルバレス、ダグラス・マルティネス、リゴベルト・リバス(57分、ルイス・パルマ)、FWジョルジュ・ベングチェ、エドウィン・ロドリゲス(57分、ジョゼ・レジェス)
・ルーマニアメンバー:GK12 マリアン・アヨーニ、DFビルジル・ギツァ、マリウス・マリン、アレクサンドル・パスカヌ、MFアンドレイ・ラティウ(75分、リカルド・グリゴレ)、マルコ・ドゥルカ、アンドレイ・チョバヌ(69分、トゥドル・バルタ)、フロリン・シュテファン(46分、ラドゥ・ボボク)、FWアレクサンドル・ドブレ、ジョルジェ・ガネア(68分、アンドレイ・シンテアン)、バレンティン・ゲオルゲ(55分、アントニオ・セフェル)

CKから相手に当たって入るラッキーゴール

 ホンジュラスはパワーとスピードが売り。キックオフから出し惜しみなくストロングポイントを生かして戦った。ルーマニアはそれを巧みにかわしていき、ボールをサイドに流し込みながら攻めていく。大会初戦にありがちな静かな堅いゲームにはならず、むしろ前半からオープンな展開になってともに攻撃の意欲をむき出しにしていった。

 ただ、ホンジュラスはフィジカルを押し出す代わりに、ゴールに近づくほど細かなミスが目立って決定的なチャンスに巡り合わない。明確なチャンスはむしろルーマニアのほうに多く、中でもセンターフォワードのジョルジェ・ガネアが38分にカウンターからGKをかわしてシュートを放ちながら、DFのカバーに防がれたのは決めておきたいシーンだった。

 先制点は思わぬ形で決まった。前半アディショナルタイムの45+1分、ルーマニアはアンドレイ・チョバヌが左CKを送ると、GKの前でDFエルビン・オリバが頭で触ってしまってそのままゴールに飛び込むラッキーゴール。この1点が後半の色を決めた。

 ホンジュラスはこの1点を追いかけて、さらにパワーを増して攻め込んでいく。左右からのクロスあり、ドリブルでの仕掛けあり、ミドルシュートありと、あらゆる方向から攻めていった。ルーマニアは厳しく守ってからカウンターで一気に運んでからゴールに襲いかかるか、相手に抑えられれば敵陣でじっくり時間を使う賢さを見せ、ホンジュラスの猛攻に耐え続けた。

 結局、このままタイムアップ。ルーマニアがタフなゲームをものにして、まずは勝ち点3を奪い取った。