東京五輪の女子サッカーが7月21日に開幕し、1次リーグF組では、中国女子代表とブラジル女子代表が対戦。試合はスタートからブラジルペースで進み、エースのマルタがチームをけん引。2ゴールを決めるなど活躍し、5発快勝に導いた。

上写真=先制点を含む2ゴールを挙げたマルタが絶叫! ブラジル主将であり、攻撃の要だ(写真◎Getty Images)

■2021年7月21日 サッカー女子1次ラウンドE組(@宮城スタジアム)
中国女子 0ー5 ブラジル女子
得点:(ブ)マルタ2、デビニャ、アンドレッサ、ベアトリス

・中国女子メンバー:GK彭詩夢、DF李夢雯、李晴潼、王暁雪、 羅桂平、MF王霜、楊莉娜、王焱、張馨(84分:劉靖)、FW王珊珊、繆斯雯(84分:肖裕儀)

・ブラジル女子メンバー:GKバルバラ、DFブルーナ・ベニテス、エリカ、ラファエル、タミレス、MFドゥダ(58分:アンドレッサ)、フォルミガ(73分:ジュリア)、アンドレシニャ、マルタ(83分:ルドミラ)、FWベアトリス、デビニャ

3度目の正直。狙うは輝くメダル!

 まさに完勝だった。ブラジルが終始、中国を圧倒した。主役は世界でも指折りのアタッカー、マルタだ。まずは9分、デビニャのヘッドがクロスバーを叩き、跳ね返りに味方が反応。混戦からこぼれてきたボールを冷静にプッシュし、ネットを揺らした。そのおよそ10分後にデビニャが加点して前半を2点のリードで折り返した後半。マルタが相手の心を折るダメ押しの3点目を挙げる。74分、右サイドの角度のないところから左を振ってニアサイドを抜いた。FIFA最優秀選手賞を6度受賞しているレジェンドは、相手のスキを逃さなかった。

 反応もボールへの到達も、誰よりも早い。読みの鋭さと的確なポジショニングは35歳になった今もなお健在だ。この日見せたプレーは機を逃さないマルタの真骨頂とも言えた。ブラジルはその後もアンドレッサ(PK)、ベアトリスが追加点を挙げて5-0で中国を撃破。アテネ大会と北京大会で銀メダルを手にしたブラジルの鬼才は、今大会で3度目の正直を狙っている。そのための第一歩としては、チームにとっても自分自身にとっても最高の形になった。