ヨーロッパ最強国を決める蹴球の祭典が開幕した。コロナ禍により1年開催が延期となったが、大会名は『EURO2020』のまま、6月11日にスタートしている。ここではグループAからCまでのグループステージ(GS)第1節をハイライトで振り返る(D組からF組編は別記事)。ロシア・ワールドカップの優勝国フランス、前回王者ポルトガル、FIFAランキング1位のベルギー、予選の無敗のイタリア、前評判が高いイングランドは、それぞれ順当に勝利を飾り、大会制覇に向けて好スタートを切った。第2節を迎える前に、大会の『流れ』をチェックしておこう。

上写真=ゴールを決めて絶叫するイタリアのインシーニェ(写真◎Getty Images)

【EURO】世界王者フランス、連覇狙うポルトガルが好発進! グループステージ第1節を一気見(D組、E組、F組編)

■大会概要
大会には出場24か国が参加し、グループAからFの6グループに、4か国ずる分かれて総当たりのリーグ戦を行なう。勝利=3ポイント、引き分け=2ポイント、負け=0ポイントで勝ち点を争い、各組の上位2チームと、3位チームのうち成績上位の4チームが決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメントはノックアウト方式で行なわれ、準決勝(7月6日&7日)と決勝(7月11日)はロンドンで開催される。なお、今大会のメンバー登録は26人となっており、そのうち3人はGKでなければならない。ただし試合に登録できるのはこれまで通り、23人となっている。試合中の交代は5人まで、交代機会は3回まで。延長戦の場合は6人目の交代(4回目の交代)が許可される。

グループA・第1節
抜け目ないイタリア、無敗を継続

■6月11日 GS第1節・グループA(@ローマ:スタディオ・オリンピコ)
トルコ 0-3 イタリア
得点:【イ】OG(53分)、インモービレ(66分)、インシーニェ(79分)

イタリアのインモービレがチームの2点目をゲット!(写真◎Getty Images)

 オープニングマッチを飾ったのはトルコ対イタリアだ。トルコは近年フランスやオランダを破るなど、力をつけており、今大会のダークホースの一国に挙げられていた。しかし、大会に至るまで27戦無敗のイタリアの実力は伊達ではなかった。トルコの攻撃をきっちり跳ね返し、後半にオウンゴールで先制すると、したたかに、そして抜け目なく看板FWインモービレ、インシーニェがゴールを記録して3-0。優勝候補の呼び声も高いイタリアが、実力を証明して好スタートを切った。ロシアW杯に予選敗退して出場できず、マンチーニ体制になって、着実に積み上げてきた力は本物。EURO初制覇へ、力強い一歩を踏み出した。

■6月12日 GS第1節・グループA(@バクー・オリンピックスタジアム)
ウェールズ 1-1 スイス
得点:【ウ】ムーア(74分) 【ス】エンボロ(49分)

力強いプレーでスイスをけん引したエンボロ(中央/写真◎Getty Images)

 本命イタリアのあとを追う2チームの対戦と言っていいだろう。前回大会でベスト4に進出したウェールズと前回ベスト16のスイスが激突。ともに譲らぬ前半を終えて迎えた後半。開始早々にスイスが先制した。シャチリのアシストからエンボロが決める。前半から力強いプレーを見せていたFWが右CKの機会にヘッドを叩き込んだ。しかし、ウェールズも粘りを見せる。こちらも右CKの流れからだった。ショートコーナーによって相手守備陣のタイミングを外すと、モレルのキックにムーアは飛び込んでヘッド。1-1で勝ち点を分け合った。