オランダ・ユトレヒトで合宿している日本代表のMF南野拓実がオンライン取材に応じた。9日のカメルーン戦はノーゴールに終わったが、13日のコートジボワール戦に向けて、並々ならぬ意欲を示し、勝利への決意を語った。

上写真=南野拓実は1年ぶりの代表活動に意欲的に取り組んでいる(写真◎Getty Images)

ファーストタッチと置き方は参考になる

 南野に対する期待はこれまで以上に高い。森保ジャパンで最もゴールを挙げている選手であり、カメルーン戦はゴールを決められなかったが、それまで5戦連続得点を記録していた。その決定力は代表チームで群を抜く。

 さらに代表活動がなかったこの1年で環境も大きく変わった。チャンピオンズリーグの対戦で評価を高め、オーストリアのザルツブルクから当時ヨーロッパ王者のリバプールへ移籍。今回の活動にプレミアリーグ王者の一員として参加している。

 9日対戦したカメルーン代表は速く強い選手がそろっていたが、南野は自身の変化について聞かれた際に「プレミアリーグは一つの特徴として、相手の体の強さとか、プレースピードとか、身体的な能力が高いというのがあるんですけど、カメルーンの選手たちもわりと身体能力が高く、スピードも速くて、それに対しては、そういう環境でプレーしていないと慣れない。前のチームでプレーしていたときよりも、今の方がカメルーンのよな相手に対する戦い方は慣れてるかなと思います」と、経験が力になっていると語った。

 日常的に世界最高の3トップと言われる選手たちとトレーニングし、まさにそこに割って入ろうとする日々について語る中で印象的だったのは、タイプの似ているフィルミーノについての話だった。

「(サラー、マネ、フィルミーノは)複数の選択肢を持った上でファーストタッチを考え、ボールを置くことによって、相手が飛び込みづらくしている。そういう部分というのは1つ、僕にとっては参考になるプレーです。フィルミーノに関してはポジションも近いですし、前を向いて、ワイドの2人の選手にボールを預けてもう一回ゴールに向かっていくというプレーは、僕も得意なプレーではあるので。相手のディフェンスラインのギャップで顔を出す動き方とか、どこのスペースを見ながらボールがないときにスペースに落ちてくるのかとか。例えば顔ちょっと振るとか、ファーストタッチの前にどこを見ているのか、とか。そういうところは自分も意識してるところです」

 トラップやボールの置き場所については代表の中でも南野のスキルはもちろんトップクラスだ。そんなアタッカーが世界最高峰に触れている。成長する環境としてこれ以上ない場所だろう。そしてもちろん、南野はリバプールで定位置取りに挑んでいる。目に見える結果を欲しているが、それはクラブでも代表でも同じだという。

「自分がやりたいプレーに対しての意思の疎通というのは代表チームの方が言葉も通じますし、やりやすいですけど、意識の違いはとくにないです。代表チームでもクラブでも、僕がこだわっているのはゴールとかアシストとか、そういう結果を出すこととチームの勝利に貢献することなので、そこに対する意識の違いというのはあんまりないですね」

「親善試合とはいえ、どんな試合でも勝利を目指してプレーしたいと思っています。そこで存在感を示さないと、このチームにも確約されたものはないので。次の試合も結果にこだわってプレーしたい」

 試合に出れば、やることは一つ。勝利のために結果を出すだけ。13日のコートジボワール戦、南野は代表12ゴール目を狙う。