オランダ・ユトレヒトで行なわれた日本対カメルーンは0-0のスコアレスドローに終わったが、DF吉田麻也はコロナ禍で試合ができたこと、そして二つのフォーメーションで戦って無失点で終えられたことに大きな意味を見いだしていた。

上写真=カメルーン戦に先発フル出場を果たした吉田麻也。守備陣を引き締めた(写真◎Getty Images)

無失点の価値と吉田の大きな存在感

 史上初めてヨーロッパ組だけで臨んだ代表戦は、カメルーンとスコアレスドローに終わった。得点を挙げることはできなかったが、失点もゼロ。引き締まった内容で、ほぼ1年ぶりに臨んだゲームであること、相手のコンディションがよく、かつまたその力を考えれば実り多い90分になったとキャプテンの吉田麻也は振り返った。

「こういうフレンドリーマッチが開催できて、なかなか対戦できないアフリカのチームと非常にいいコンディションで戦えたのは意義のあるものだったと思います」

 前半は4バック(4-2-3ー1)、後半からは3バック(3-4-2-1)。異なるフォーメーションを採用し、一定の成果を手にできたこともプラスになった。

「前半は相手もしっかりボールを回してビルドアップするいいチームだったので、攻撃陣は非常にフィジカル的にインテンシティが高くなってしんどかったんじゃないかなと思います。逆に後半は前からハメにいったことによって、後ろがスライドする距離が長くなって、マンマークの時間が長くなって大変だったんですけど、よく修正して、いい形で巻き返せたなと。高い位置でボールを奪ってフィニッシュまで持っていくのが3バックの特徴だと思っていますが、そこがもうちょっとできればよかった。3バックに関しては全体的に4バックでうまくいないときにこういうふうにオプションを持てると、チームとして幅ができる。ただ、あまり3バック、4バックにこだわるというか、大きくテーマを二つに割るんじゃなくて、臨機応変にやっていきたいとは思います」

 ザッケローニ監督時代にメディアに喧伝された例に触れつつ、陣形は臨機応変に運用することが大事だと吉田は語った。その上で、手応えを感じたことも強調している。

 森保監督も指摘していたように後半、3バックにしたことで役割が整理され、守備は安定した。吉田を中央に、右に酒井宏樹、左に冨安健洋が構える3バックは、チャレンジ&カバーもスムーズでうまく機能していたように映る。

「後ろは経験がある選手が多くて、冨安選手はいままさにその経験をチャレンジして積んでいるときだと思いますけど、酒井選手がプレーするフランスはアフリカンの選手が多いので対峙し慣れているなと思いますし、僕も長くヨーロッパでやってきて、いろんなタイプの選手と戦い、冨安選手も良い経験を積んでのこの試合だったので、(守備陣は)落ち着いて対応できたと思います。こういう相手とやっても戦えるんだなと今日、感じたところです。ただもうちょっと連係をよくして、3バックのときに大事なのは両ウイングバックの選手がいかにうまく前に出ていけるか、ボールが反対側にある時にどういう風に絞るかにあると思うので、その点をうまくできたら、効率的にボールを奪うことができるんじゃないかなと」

 3バックをいつでも引き出しから取り出して使える『有効なスタイル』にするには、まだまだコンビネーションを磨く必要はあるだろう。ただ、その初期段階にしては良いトライになったのは間違いない。後半の安定した戦いぶりは、経験豊富な吉田が最終ラインにいる価値と、トップレベルで戦うDFがチームにいることの意味を改めて証明したが、同時に近年の代表ではなかなか実装できなかった3バックがオプションとなる可能性も、大いに感じさせた。