日本代表は本日5日よりオランダ・ユトレヒトで活動をスタートさせた。ヨーロッパ各国から選手が集まり、この日はスペインのビジャレアルに所属する久保建英がオンラインで取材に応じた。昨年10月以来の『代表活動』に意気込みを語った。

上写真=日本代表のオランダ遠征、練習初日に取材に応じた久保建英(写真◎スクリーンショット)

子どもたちにサッカー選手になりたいと思ってもらえるように

「このような状況の中で、こうやって各国の選手たちが同じところに集まって活動できるというのが非常に有意義な時間だと思います。今回の2試合は無駄にしないようにみんなで力合わせて戦って代表の意味というのを見せていけたらいいと思います」

 練習前に取材に応じた久保は、1年ぶりとなる代表活動に強い意欲を示した。自身はこの1年のうちにマジョルカで存在感を示し、ビジャレアルへと移籍。手にした経験と自信は、今回の代表でも生かされるに違いない。

「去年と違うところが何かと言われると、1年間分の実績を積んできたと思っています。選手として1段階上のレベルに入れているかなと。それを今回の代表で。相手も国を代表している選手ですし、いつものクラブを代表している選手と戦うのとはまた違った感覚だと思うので、そういうのをつかんでいけたらいいと思います」

「1年前から一番自分が積んできたと言えるのは、トップリーグでの経験だと思います。自分で言うのもなんですが、やっぱりスペインは世界のトップリーグの1つだと思っています。その中でマジョルカでは常に格上の相手、もしくは同格の相手と互角以上、まあできない試合もありましたけど、渡り合ったという自信は自分の中にあります。相手をリスペクトしつつも、自分に自信を持ってプレーできるとは思います」

 以前の自分とは違う自分で、日本代表のユニフォームをまとう。さらに大きく成長した久保がどんなプレーを見せるのか。現在サッカーの潮流に触れつつ、自身の役割についても言及した。

「どのような貢献をしたいかと言われれば、まず大前提として自分は攻撃の選手で、一番は攻撃でチームにプラスアルファを求められていると思うので、そこを出していければと思います。当然、今のサッカーはたくさん走る、という言い方は良くないかもしれないですが、たくさん走った方がだいたい勝つ。守備でも、一定以上のことが求められると思いますし、今のサッカーに特別な選手なんていないと思います。(CLで)優勝したバイエルンで、あれだけの選手たちが走って守って攻撃をしたら、それは勝つだろうなと。自分たちもそうやってレベルの高い選手が、レベルの高いことのできるチームになっていけたらと思います」

 ヨーロッパでも新型コロナウイルスの再拡大が懸念されており、コロナ禍における代表戦という意味でも今回は大きな注目を集めている。久保は「いち選手の意見として」と断ったうえで、その思いを語った。

「サッカーは、その国で暮らす人たちにとって数少ない娯楽というかエンターテイメントの1つだと思っていて、いろんなものが制限されている中で、いろんな方々の協力を得て何とか今こうやって開催ができている状況があります。そういった意味で監督も言っていたかもしれないですけど、恩返しじゃないですが、自分たちへの期待を、結果だったり内容というところで返していくのが、今回は義務になるのかなと思います」

「世界的なパンデミックがあった後でもサッカーに限らずみんなで力を合わせていろんなことが自分が思っていたよりも早く復旧しました。サッカーの練習が再開し、さまざまの人の協力を得てリーグを終えることができた。1人じゃできないこともいろんな人の力を借りて実現することができる。そういう具体例の1つだと思います。
 今度は自分たちが助けてもらった人たちに、恩返しを。サッカー選手は結局のところプレーで返すのが1番だと思いますし、今、外に出られなかったりとかいろんな状況があると思いますけど、自分たちのプレーを見て、そういった子どもたちに、こんな状況でもサッカー選手になりたいと思ってもらえるように。それが自分にとっては一番だと思っています」

 ひとりのプロサッカー選手として。日本代表の一員として。発する言葉に強い決意がにじむ。成長を続ける久保建英が、今回の代表活動で何を見せるのか。期待せずにはいられない。