写真◎関東大学サッカー連盟/飯嶋玲子
あの頃があるから今がある――。この連載では大学時代に大きく成長し、プロ入りを果たした選手たちを取り上げる。最終回となる第13回は、大ケガを乗り越え、中央大からプロに進んだFW皆川佑介だ。
7年越しの約束
ヒザが元に戻るのか、不安で仕方がなかった。それでも、前向きになれたのはJISSで同じようにケガを負った先輩アスリートたちと出会えたからだ。当時ベガルタ仙台に所属していた上本大海(現・大分トリニータ・スカウト担当)とは、特によく話した。まだ知らないプロの世界について、いろいろと教えてくれた。
「朝から晩までテンションが高くて、こっちまで楽しくなりました。本当に可愛がってもらったんです。すっかり大海さんのファンになりました」
広島への加入が内定したときも、すぐに一報を入れたという。連絡をもらった上本は、7年経ったいまもあのときの電話を覚えている。
「自分のことのようにうれしかった。プロになった後も、試合やキャンプなどで会えば、必ず話していました。今季は横浜FCで頑張ってほしいね。今、僕は大分にいるから敵になるけど、個人的に応援しています。そういえば、皆川が大学生のときに『プロで活躍したら、ご飯をおごります』と言っていたけど、まだ誘われていません。そろそろいいんじゃないのかな(笑)」
7年越しの約束は果たされるのか。横浜FCのファン・サポーターとともに、昔と変わらずテンションの高い大先輩も、皆川の飛躍に期待している。
みながわ・ゆうすけ◎1991年10月9日生まれ、東京都出身。前橋育英高時代には全国高校選手権に出場。中央大では全日本大学選抜に選ばれ、ユニバーシアード代表でもプレーした。14年に広島入りし、同年アギーレ監督率いる日本代表に招集される。18年は熊本に期限付き移籍。広島に復帰したのち、19年7月に横浜FCに加入した。186cm、84kg