歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第26回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成26年(2014年度)はガンバ大阪が三冠を達成し、日本代表はブラジルW杯で現実を突きつけられた。

突きつけられた現実

 この年はワールドカップイヤーでもあった。ブラジル・ワールドカップに臨む日本代表への期待は大会前から高かった。香川真司ら中心選手はヨーロッパのビッグクラブで活躍し、過去最高のタレントをそろえていたからだ。エースの本田圭佑が「W杯優勝」を目標に掲げるなど、選手たちも結果を出すことへの意欲を示していた。

 しかし、現実は甘くなかった。初戦のコートジボワール戦に逆転負けを喫すると、続くギリシャとは引き分けたものの、決勝トーナメント進出へ勝つしかなかった第3戦のコロンビア戦に完敗。持ち味を発揮できないまま、未勝利で敗退することになった。

 ザッケローニ監督就任以来、多くの勝利と期待感を生んできたザックジャパンだったが、最後の最後で厳しい現実を突きつけられた。選手たちはもとより、多くのファンにとっても、それはショッキングな結果だった。

 大会後、ザッケローニ監督の後任に就任したのが、ハビエル・アギーレ氏。リーガエスパニョーラでの経験に加え、メキシコ代表を率いてW杯で2度16強に進むなど実績のある指揮官の招へいは歓迎ムードだったが、ほどなくして成績とは別の理由から、進退問題が取りざたされるようになる…。

◆平成26年度の主なタイトル一覧
Jリーグ:ガンバ大阪
天皇杯:ガンバ大阪(第94回・14年度)
Jリーグ杯:ガンバ大阪
JリーグMVP:遠藤保仁(G大阪)
Jリーグ得点王:大久保嘉人(川崎F)
Jリーグ新人王:カイオ(鹿島)
Jリーグ最優秀監督賞:長谷川健太(G大阪)
高校選手権:星稜高(第93回・14年度)
高円宮杯U-18:C大阪U-18
大学選手権:流通経済大
なでしこリーグ:浦和レッズ・レディース

ブラジルW杯の初戦、コートジボワール戦は本田が先制。しかしリードを守れず、追加点も奪えず、1-2で逆転負けを喫した(写真◎Getty Images)

第2戦でギリシャと引き分けた後、運命の第3戦のコロンビアとの試合では先制され、一度は岡崎慎司の得点で追いつくが、そこから3失点。1-4で完敗した(写真◎Getty Images)

日本は期待されながら未勝利でブラジルをあとにすることになった(写真◎Getty Images)

ブラジルW杯後、日本代表監督に就いたのがアギーレ氏。就任会見で抱負を語っていたが…(写真◎Getty Images)

Jリーグ順位表(2014シーズン)
順位チーム
1G大阪6334196928
2浦和6234188820
3鹿島60341861025
4603417988
5鳥栖6034193128
6川崎F55341671113
7横浜FM5134149118
8広島50341311107
9FC東京483412121014
10名古屋483413912-1
11神戸4534111211-1
12新潟443412814-6
13甲府413491411-4
14仙台383491114-15
15清水363410618-18
16大宮35349817-16
17C大阪313471017-12
18徳島14343526-58