歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第17回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成17年(2005年度)はガンバ大阪がJ1初制覇を成し遂げ、日本が世界最速でドイツW杯出場を決めた。

無観客試合でドイツ行き決定

 日本代表は6月8日、バンコクで開催された北朝鮮戦に2-0で勝利し、世界最速でワールドカップ出場を決めた。柳沢敦、大黒将志の得点でドイツ行きに切符を手にしている。この試合は本来、平壌で行われるはずだったが、3月のイラン戦の際に北朝鮮のファンが判定を不服としてピッチ内にイスを投げ入れるなど危険行為を働いたための制裁措置として、第三国で、しかも無観客で開催された。異様な雰囲気の中での試合となったものの、日本は終始冷静に戦い、きっちり勝利を収めてみせた。

 その8日後、ドイツで開催されたプレW杯、コンフェデレーションズカップに出場。初戦でメキシコに1-2で惜敗したあと、ギリシャに1-0で勝利を飾り、ブラジルと2-2で引き分けたが得失点差でブラジルに及ばず、3位でグループステージ敗退。しかし、ブラジル相手に中村俊輔、大黒のゴールで同点に持ち込んだアグレッシブな戦いぶりは本大会での躍進を期待せるものでもあった。

 高校年代に目を移すと、高校選手権で「セクシーフットボール」と称えられた攻撃サッカーで野洲高が旋風を巻き起こして日本一となる。チームの中心は楠神順平、乾貴士、青木孝太らがいた。

◆平成17年度の主なタイトル一覧
Jリーグ:ガンバ大阪
天皇杯:浦和レッズ(第85回・05年度)
Jリーグ杯:ジェフユナイテッド千葉
JリーグMVP:アラウージョ(G大阪)
Jリーグ得点王:アラウージョ(G大阪)
Jリーグ新人王:カレン・ロバート(磐田)
Jリーグ最優秀監督賞:西野 朗(G大阪)
高校選手権:野洲高(第84回・05年度)
高円宮杯U-18:東京ヴェルディ・ユース
大学選手権:駒澤大
Lリーグ:日テレ・ベレーザ

北朝鮮を破り、日本は世界で最初に翌年に開催されるドイツ・ワールドカップ出場を決めた(写真◎サッカーマガジン)

コンフェデレーションズカップでブラジル代表と対戦。2-2で引き分けた(写真◎Getty Images)

ブラジル戦で2-2に追いつくゴールを決めた大黒をチームメイトが祝福する(写真◎Getty Images)

高校サッカー選手権に優勝した野洲高校の乾貴士。2年生ながら変幻自在のドリブルで勝利に貢献した(写真◎サッカーマガジン)

Jリーグ順位表(2005シーズン)
順位チーム
1G大阪60341861024
2浦和5934178928
3鹿島59341611722
4千葉59341611714
5C大阪5934161178
6磐田51341491110
7広島50341311108
8川崎F5034155147
9横浜FM48341212101
10FC東京4734111493
11大分4334127151
12新潟423411914−15
13大宮413412517−11
14名古屋393410915−6
15清水393491213−9
16353481115−15
17東京V303461216−33
18神戸21344921−37