上写真=4月24日のメディアブリーフィングに出席したJFA田嶋会長(写真◎zoom/スクリーンショット)
5月の連休明けの受付開始へ準備
日本サッカー協会がこの日、立ち上げた「サッカーファミリー支援事業」について、田嶋幸三会長はブリーフィングの冒頭で次のように目的を説明した。
「今現在、街クラブからJリーグのクラブも含めてですが、特に町クラブから『この状況を何としかしてほしい』という声や『今すぐにでも指導者(スタッフ)を解雇しなければならない』という声、問い合わせが来ています。そこでこの支援事業を立ち上げ、融資や給付という形でサポートしていきたいと思っています。
いま、様々なリーグ、クラブ、スクールが活動できない状況になっていますが、私たちが新コロナウイルスに打ち勝ち、試合をスタートできる、サッカーがスタートできるとなったときに『あのクラブは無くなりました』『あのスクールは指導者がいなくなりました』ということが起きないようにしたいと思っています。私たちは何とかここで歯を食いしばって、一緒になって頑張って、クラブ、スクールの存続、指導者やスタッフの解雇が起きないようにと思い、この支援事業を立ち上げました」
大きな事業となるため、本来であれば5月14日に開かれるJFAの理事会で承認を経てからスタートとなるが、事態が切迫していることを鑑み、まず支援策についてアナウンスすることが重要と判断。ゴールデンウイーク明けの受付開始を目指して準備していく。
今回の事業は以下の8つの骨子からなる。
■事業骨子(案)
1.相談窓口設置
2.財政支援(JFA直接支援)
3.現状調査(登録チーム/指導者等)
4.登録料免除
5.寄付金口座の創設ほか
6.情報発信(Sports assist you他)
7.FIFA・国際対応
8.その他(政府対応、医療機関支援等)
田嶋会長はそれぞれ骨子の内容について、次の通り説明した。
【1】の相談窓口設置はWEBで行う。相談内容は今回の新型コロナウイルスによって生じた財務的な救済と支援が基本。【2】の財政的支援は、街クラブから始める予定。最初は融資という形で始めるが、問題の全体像を把握したあとで個別に給付の形も考える。
【3】の現状調査では審判員、指導者、クラブ職員、アルバイトスタッフの方々の状況を調べ、全体を把握した上で個別にサポートする必要があるかを検討。その上で迅速にサポートしていく。【4】登録料免除に関しては、すでに支払い済みの方には返金できる制度を設立。支払い済みのお金を新コロナ対策に関する支援金に使っていいというケースにも対応する。また、これから支払おうと考えている方については、そのお金の立て替えられるようにする。
【5】の寄付金口座の創立は、一連の状況を鑑みてすでに寄付の申し出も届いているため、寄付金口座を創設。そのお金を支援策に使う。【6】情報発信は、公式HPにある「Sports assist you」 https://www.jfa.jp/grass_roots/sportsassistyou/ などで素早く伝えるとともに、複数のメディア通じても情報を公開する。
【7】FIFA・国際対応では、FIFAから各国協会への支援を求めていく。また、日本協会に支援を求める他国の協会があり、薬や医療機器について、政府や大使館を通じての対応できるようにルートを作っている。
【8】政府、医療機関の支援等については、日本協会として何ができるのか、引き続き検討し、対応する。
すでに3月29日の評議会で7億円の予算を準備したことに加え、寄付なども含めて財源を確保し、スピード感を持ってサッカーファミリーを支援する。詳しい申請方法などは、公式HP等で近日中にアナウンスされる模様だ。
ブリーフィングの最後にもう一度、田嶋会長はメッセージを送った。
「今回、この事業をアナウンスしたのは、クラブの存続の危機に瀕している人、スタッフ削減の決断を迫られている人たちに、もう少し頑張ってほしい、一緒に頑張りましょうと伝えるためです。5月の連休明けに受付できるように準備しますし、14日の理事会を経てすぐに融資等ができるようにします。一緒に、頑張りましょう」