歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第5回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成5年度(1993年度)は、Jリーグが開幕し、日本代表が世界との距離を知った年。歓喜と悲劇が交錯したーー。

U-17日本代表は世界8強

 A代表は世界に届かなかったが、同年8月、U-17日本代表は世界の舞台に上がった。世界選手権(W杯)が日本で開催され、出場。中田英寿や松田直樹、宮本恒靖らを擁した代表チームは、ガーナ、メキシコ、イタリアと同居するグループを2位で突破したが、同大会を制するナイジェリアに敗れ、ベスト8で敗退した。なお、この大会は試験的にキックインが導入されたことでも世界から注目されている。

 プロリーグ開幕の歓喜と、サッカーの残酷さを体感した悲劇。平成5年は日本サッカー界のターニングポイントととして、極めて大きな意味を持つ1年と言える。

◆平成5年度の主なタイトル一覧
Jリーグ:ヴェルディ川崎
天皇杯:横浜フリューゲルス(第73回・93年度)
Jリーグ杯:ヴェルディ川崎
JリーグMVP:カズ(V川崎)
Jリーグ得点王:ディアス(横浜M)
Jリーグ新人王:澤登正朗(清水)
Jリーグ優秀監督賞:松木安太郎(V川崎)
高校選手権:清水商高(第72回・93年度)
高円宮杯U-18:清水商高
大学選手権:早稲田大
日本女子リーグ:読売日本SC女子ベレーザ

日本は自国で開催されたU-17世界選手権に出場。ベスト8に進出した。写真中央は中田英寿、右は松田直樹(写真◎サッカーマガジン)

94年1月16日のチャンピオンシップ第2戦。セットされたボールにジーコがツバをはき、退場処分に。カズがPKを決め、V川崎が同点に追いつき、2試合合計3-1でリーグ優勝を飾った(写真◎J.LEAGUE)

Jリーグ新人王に輝いたのは清水エスパルスの澤登正朗(写真◎J.LEAGUE)

Jリーグ順位表(1993シーズン)
順位チーム
1V川崎3628841
2鹿島36231329
3清水36241220
4横浜M36211512
5広島3618185
6横浜F361620-7
7G大阪361620-14
8市原361422-16
9名古屋361224-18
10浦和36828-52
※年間順位