1月6日、ジェフユナイテッド千葉が新体制発表会見を開き、森本航社長、髙橋悠太GM、尹晶煥監督が登壇。2020年シーズンへの決意を示し、新監督は昨季17位から躍進するために「選手の意識改革が必要だ」と語った。

上写真=新体制会見の席上で自身のビジョンを示した尹監督(写真◎サッカーマガジン)

新指揮官の意向を汲んで補強

 会見は森本社長のお詫びから始まった。ジェフユナイテッド千葉は昨シーズン、目標だったJ1昇格を果たすことができず、終盤まで残留争いを続けて、昇格圏内には程遠い17位に終わった。J2で2番目に多い観客動員を誇りながら不甲斐ない結果となったことを、まずファン・サポーターに謝罪。その上で、こう決意を語っている。

「10年間、J1昇格に挑戦してきました。その中で課題があり、壁があったのは確かです。しかし私たちはここで逃げずに、尹監督を中心に正面切ってこの課題を克服し、壁に向かっていくことをお約束します。この状況でまだまだ言えることではないかもしれませんが、J1に上がれば、ACLや天皇杯、ルヴァンカップもあります。そういう戦いの中でしっかり存在感を出すこと。それが私たちが追い求めていくものだと思います。この10年間の私たちの状況からこういった目標を立てることはリアリティがないかもしれません。問題も課題もありますが、忘れてほしくないのは私たちのチームにはかつて、そういう時代があったということです。今の子どもたちの多くは私たちがJ1だったことを知りません。もう一回、このフクアリでJ1の試合をやりたい。それが就任1年目の私の目標です」

 森本社長に続き、強化責任者の髙橋ゼネラルマネージャーが昨季の反省を踏まえて新シーズンのチームの方針と強化ポイントを示した。

「2019年シーズンはクラブとして良い決断ができなかったと感じています。監督交代、その後のチームのフォローも含めて。選手は一生懸命やっていましたが、良いフォロー、良いサポートができなかった。また、シーズンを通しての分析としてはバランスがすごく悪かったと思っています。攻撃が偏り、相手にとっては読みやすい攻撃が多くなってしまった。守備に関しても、被シュート率などのデータを見ても、すごく悪い数字だった。得点も失点も、バランスが悪いシーズンになってしまった。
 それらを踏まえて、新しく尹監督の下で準備してきました。最初に監督と、チームをどういう方向に持っていくかについて話し、勝ちにこだわる1年にしたいと、勝つことで成長していくような組織に、もう一回、変わらなければいけないと確認しました。監督からは既存の選手に関して評価していただいたので、まず、どうやって(選手をチームに)残していくかを考え、編成のポイントとしました。それにプラスして、尹監督の就任会見でも話がありましたが、センターラインの強化ということを考えました。この数年間、チームの軸になるポジジションを固定できなかった。ですから、そこを補強で埋めていくことをポイントにしました。実際に補強に関しては、ある程度、尹監督のオーダーとクラブとして狙っていた選手を獲得できたと思っています」

 早い段階で尹晶煥監督との交渉をまとめ、チーム編成について意見交換できたことで、補強も満足いくものになったと髙橋GMは説明。攻撃的な選手に関して、さらなる補強の可能性を示唆したが、現状でも納得のいく陣容になったと強調した。