東京2020オリンピックを前に、日本サッカーに彗星のごとく現れたストライカー、それが上田綺世選手だ。2019年5月のコパ・アメリカでは大学生でありながらA代表に選出され、前倒しで名門・鹿島アントラーズに入団。期待の新星の歩みとそのサッカー観を、スポーツ情報マガジン「スマイルスポーツ」のインタビューで語ってくれた。
※取材は2019年11月6日に行いました。

上田は今夏、法政大学から鹿島アントラーズに電撃加入。コパ・アメリカでは日本代表でも初キャップを記録し、東京オリンピックでの活躍も期待されている

サッカーU-22日本代表としても活躍する鹿島アントラーズの上田綺世選手は、社会人サッカーをする父親が試合でゴールした姿を見たときから、サッカーの虜となり、ゴールを決めることへの憧れを抱くようになった。

「観に行った試合で父がハットトリックを決めたんです。その姿を見てカッコイイと思いましたし、それを喜んでくれる仲間がいて、僕自身も嬉しかった。みんなが喜べるゴールを自分も決めたいと思ったことが、サッカーを始めたきっかけです」

吉田ヶ丘サッカースポーツ少年団でサッカーを始めた当初は、思うようなプレーができず、練習に行くのが嫌なときもあった。しかし、初めてゴールを決めたことを機に、サッカーへの情熱は一気に高まっていった。

「小学1年生のとき、練習試合で浮き球をワンタッチでシュートして決めました。それが初めて試合で決めたゴールで、僕がサッカーにハマったのはその瞬間です。ここまでサッカーを続けてこられたのは、あの瞬間の忘れられない快感があるからだと思います」

上田選手のゴールへのこだわりは強く、それでいて実にシンプルなものだ。

「小さい頃は華やかな選手も好きでしたけど、サッカーをやっている人にしかわからないような難しいゴールを簡単に決める選手がカッコイイと思っていました。得点を取るには別にスーパーゴールが必要なわけではないですし、いかに地味なゴールを決めていけるかが数多く得点するコツだと思います。スーパーゴールで2~3点取るのなら、地味なゴールでも、もっとたくさん取ったほうがいい」

まだ21歳ながら、淡々と迷いなく質問に答える上田。「スーパーゴールは要らない。地味なゴールでも数多く決めることが自分の仕事」と言い切る

Jリーグでの活躍は、東京2020オリンピックへもつながる道となる。当然、中心選手の一人として期待がかかるが、上田選手が見据えているのは、先にあるものではなく、目の前の試合だ。

「オリンピックに関して今は何も考えていないです。目の前の試合で活躍できない選手が、オリンピックで活躍できるわけがありませんから。だから次の試合でゴールを決めることを考えてやっていけばいいかなと思っています。自分のスタイルとして、たとえば年間20点取るとか、目標を決めてアプローチしていくというのは好きではないんです。だからオリンピックを目標にすることもありません。自分をどこまで突き上げられるかという、レベルアップの途中に出てくるものであればいいなと思っています」

目標というゴールは決めない。なぜなら到達点を決めてしまうと、たどり着いたその先にはもう道がないからだ。一方、試合で決めるゴールは次のステージへのスタートラインへとつながっている。一歩ずつ前へ、一つずつ上へ。自らが望む、高みへの道を切り開くため、上田選手はどん欲にゴールを狙い続ける。

こちらのインタビューのほか、自身が選んだ“ターニングポイント”となったゴールや、サッカー選手としての「夢」についての考え方など、カラー2ページにわたるインタビューの全文は、12月1日に(公財)東京都スポーツ文化事業団が発行した『スマイルスポーツVol.80』に掲載されています。

上田綺世(うえだ・あやせ)
1998年8月28日生、茨城県出身。鹿島アントラーズ所属。ポジションはFW。鹿島学園から法政大学に進み、2019年7月より鹿島アントラーズに入団。5月のコパ・アメリカで日本代表デビューを飾った。

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