キャプテンマークを巻き、ドイスボランチの一角でプレーした中山雄太はU-22日本代表にとっての国内初試合で完敗したこと、そして、自身の不甲斐ないプレーに悔しさをにじませた。この試合をきっかけに変わることを誓った。

上写真=キャプテンマークを巻き、田中駿汰とボランチコンビを組んだ中山雄太(写真◎西田泰輔)

■2019年11月17日 キリンチャレンジカップ2019
 U-22日本代表 0-2 U-22コロンビア代表
  得点者:(日)なし
      (コ)L・サンドバル、J・ラミレス

A代表とは話しの密度が違う

 U-22コロンビア代表戦で中山は、相手のプレスにつかまってボールをロストし、パスをたびたびひっかけて、チームに推進力を与えることができなかった。ともにドイスボランチを組む田中駿汰が前後に絡んでゲームを作るタスクを担う一方で、中山はバランスを見ながら攻撃では時にボールの逃がし場所となり、守備では相手の攻撃をしっかりつぶす役が期待された。だが、自身が望むレベルでプレーすることはできなかった。

「相手のやりたいことは、僕たちのボール回しを前線から抑えるってことで、最初のほうからそのプレッシャーにハマってしまった。どこが空いているかっていうのはやっているうちに(選手同士で)話してはいたんですけど、うまく繋げられなかった。それは、相手のやりたいことにハマってしまったんだと思います」

 相手のどこに『穴』があるのかを探りながら、しかし試合中に修正が効かなったのはなぜなのか。やはり、堂安律や久保建英ら、この日初めて東京五輪代表候補チームに加わった選手がいることで、連係面に難しさがあったのか。

「短い期間でそれを合わせていくのが代表選手だと思いますし、それを言い訳にできないので。結果が出なかったですが、時間が少ないなかでもやらないといけないですし、それをやってこそ代表選手だと思う」

 中山本人は言い訳にはしなかったが、相手の圧力は強かったものの、ボールをつないでいく過程で受け手が見つからず、ノッキングを起こす場面は散見した。ボールホルダーがどこにパスを出すのか。そして誰が、どこでパスを受けるのか。そのあたりの整理はマストだろう。本大会まで8カ月の中で、代表活動に使える時間は限られている。時間は決して多くない。

「試合中を含めてコミュニケーションは少ないなって思います。コミュニケーションと言うと、いろんな意味でで捉えられると思いますけど、普段話す量は多くてもその密度っていうのは、何を話しているかだったり、何が必要かで(変わる)。ポジション間で話す機会は不足しているなって。幸い僕もA代表に呼んでもらったことがあって、その時に話している量、密度とも違いがありますし、それだけじゃないですけど、そういうのも(課題として)あるのかなって思います。
(A代表では)やっぱり相手に対して、ここがこう空くよねっていう話もありますし、勝ちからの逆算じゃないですけど、何が必要なのか考え、いま何をやるべきなのかっていうのは、A代表の選手たちとは差があるのかなと感じました」

 この日、キャプテンマークを巻いた中山はチームはもちろんだが、個人レベルでもすべての面で向上しなければならないと話した。

「(海外に出て成長している)実感は感じながらやれていますけど、その実感というのをさらに大きくして結果として出さなければ意味がない。(自分が)まだまだっていうのは変わらないので、しっかりこの活動を経て、所属チームに帰ってやっていきたいと思います」

 具体的に上げるべき力とは? という問いに対しては「結果を出すために、(個の力は)すべて上がればいいですし、僕自身感じているものもあります。上げられるものはすべて上げられたほうがいいので、あえて個の力と言わせてもらいます」と説明している。活動中には密なコミュニケーションを取ること。そして所属チームにおける日々のトレーニングでのレベルアップ。残された時間でやるべきことははっきりしている。

不甲斐ない敗戦を次に生かせるか

 森保一監督は今回の敗戦後、選手たちに「金メダルは私だけの目標か? チームの目標なのか」と強い口調で話したされる。そのことについて質問された中山は次のように答えた。

「口調が強いか、強くないかは個人の捉え方だと思いますけど、でも、(監督が)しっかりと僕たちにもう一度、何が目標なのか再確認させたというっていうのはあったと思います。
 監督からそういう言葉が出たように、今日の試合でそれが感じられたかっていうと、感じられなかったと思わせるようなプレーだった。僕自身は危機感じゃないですけど、もっとやらないといけないと思いました」

 浮き彫りになった課題を整理し、次につなげてこそ、指揮官が言う通り今回のコロンビア戦は『学びの場』になる。

「(問題点に)気づいたからには周囲に発信していくことをやるしかないですけど、僕からしたらキャプテンマークを巻こうが巻かなかろうが、もちろん、僕が今日巻いてなかろうが、そういう部分はしっかりと発信しないといけない。、チーム内で発信する選手たちが増えていけば、自ずとコミュニケーションも増えると思う。そこは僕に限らず。もちろん、僕がキャプテンマークを任せてもらったので、言う責任はすごくあると思いますがそれだけにとらわれず、全員がそういう意識でいるべきだなとも思います」

 中山は自分自身に向けて、そして仲間に向けても、現状のままではダメだと危機感を募らせていた。『金メダルがチームの目標』とは到底見えない戦いぶりを披露してしまった日本。この完敗を飛躍のきっかけにできるかどうかは、中山の言う通り、これからの意識の改革と個々の取り組みにかかっている。

取材◎佐藤 景 写真◎西田泰輔

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