数カ月前までは“ホームスタジアム”として、カシマのピッチを駆け回っていた安西幸輝。パラグアイ戦では日の丸を背負って後半途中から出場を果たし、収穫と課題を手にした。

上写真=「偉大」と話す長友と交代して途中出場した安西(写真◎福地和男)

■キリンチャレンジカップ2019
 日本 2-0 パラグアイ
 得点=(日)大迫勇也、南野拓実

「無失点で終えることが大事だった」

「サポーターに成長した姿を見せたい」。7月にポルトガルのポルティモネンセへと移籍した安西幸輝は、2カ月ぶりに帰ってきた鹿嶋の地での日本代表戦出場を待ち望んでいた。

 待望の瞬間が訪れたのは67分。「偉大なサイドバック」と尊敬する長友佑都と交代して、左サイドバックのポジションに入った。

「(カシマスタジアムに)戻って来られてうれしいし、(鹿島の)サポーターの前で試合に出場できて良かったです。“ファミリー”だと思ってくれているのはすごくうれしいこと。もっとボールに触れれば良かったですけれど、まずはチームが勝つことが大事だし、(失点)ゼロで終えられたので良かったと思います」と、試合を振り返った。

 対戦相手のパラグアイについては、「ちょっと疲れていた部分があったかもしれないけれど、すごく体が強くて、(対峙した相手は)前への推進力のある選手だった」と話す。その中で、「ポルトガルリーグでもああいう(パラグアイ代表のような)選手はたくさんいるので、そういう意味ではうまく対応できたかな」と、ヨーロッパでの成長を実感する。

 ただ、「もっと僕自身をアピールしなければいけない」と、反省点も口にする。今年3月にも代表に招集されているが、そのときはキャプテンの吉田麻也をはじめ、長友佑都、大迫勇也、そしてパラグアイ戦で安西とともに左サイドを担った原口元気は不在だった。そのため、「(原口らとのプレーは)初めてだったので、僕の特徴をみんなにもっと分かってもらわないといけない。これからも代表に入ることで、それをもっと分かってもらえると思うので、自分の良さをどんどん出していきたい」と、ロシア・ワールドカップでも主軸を担った選手との連係強化を目指す。

「僕は後ろの選手なので、(失点)ゼロで終えることが大事だった。まあ、カシマでの試合だったので、もっと攻撃の部分で良い場面を作り出せればよかったですけれど、それはまた今度に取っておきます」

 守備の手応えと攻撃の課題を手にし、安西はワールドカップ予選に臨む。

取材◎小林康幸

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