上写真=左サイドで精力的な動きを見せた福田(写真◎Getty Images)
■2019年8月23日 J1リーグ第24節
鹿島 2-2 G大阪
得点者:(鹿)セルジーニョ、伊藤翔 (G)アデミウソン、パトリック
「ガンバで出続けることは、めちゃくちゃ難しいこと」
G大阪が1点ビハインドで迎えた72分、左サイドの福田湧矢が持ち前のスピードを見せた。DF三浦弦太からのロングパスに抜け出し、ペナルティーエリア内で鹿島の右サイドバック・小泉慶のファウルを誘った。
「あの一発に懸けました。(飛び出すタイミングは)あの瞬間がベストだったと思います。弦太くんから、めちゃめちゃ良いボールが来た。(ファウルで止められなければ)シュートを打てていたと思います」
笛が吹かれた瞬間、背番号34はガッツポーズ。直後にFWパトリックがキックを沈め、2-2の同点に追いついた。福田自身は「両ふくらはぎと太ももをつっちゃいました。情けないです」と、85分に途中交代を強いられるも、チームは同点のままタイムアップを迎えた。
「優勝争いをしている鹿島という素晴らしいチームを相手に、これだけみんなで最後まで走って戦えたことはチームとしても自信になる。なんか、一つになれたんじゃないかな、と」
リーグ戦5試合連続での引き分けとなったものの、「次につながる勝ち点1だと思います」と、アウェーでの勝ち点1獲得に満足げな表情を浮かべた。
この夏、G大阪はFW宇佐美貴史やMF井手口陽介ら、日本代表クラスの実力者を補強した。福田の主戦場とするサイドのポジションにも、川崎Fから鈴木雄斗(※期限付き移籍)、山口から高木大輔を獲得している。
「誰がいても気は抜けない。(危機感は)常にあります。ガンバという伝統のあるチームで(試合に)出続けることは、めちゃくちゃ難しいこと」と、福田はポジション争いの熾烈さを強調する。その中でスタメンに名を連ね、「出させてもらっている以上は、やらなければいけない」と、自覚と責任を胸にピッチに立っている。
「(結果を)出し続けなければいけない。『こいつ(福田)がいたら違うな』と思ってもらえる選手にならなければ」
プロ2年目を戦う青黒の韋駄天が、チームを上昇させるべく自身のさらなる成長を誓う。
取材◎小林康幸