2試合を終えてともに1勝1敗で迎えたG大阪ユースと鹿島ユースの一戦。勝利した方がラウンド16へ勝ち上がる一戦は、G大阪ユースが先制する。51分、唐山翔自のシュートはポストに当たるも、その跳ね返りを大谷優斗が押し込んで、1点をリードする。さらに、61分には長尾優斗が追加点を挙げ、勝負あり。『16対3』とシュート数でも上回ったG大阪ユースが勝ち点3を積み上げ、グルーステージを2位で突破した。

上写真=G大阪ユースの右サイドバックを務める奥田(写真◎サッカーマガジン)

■2019年7月24日 第43回日本クラブユース選手権(U-18)大会 グループステージ(35分ハーフ)
G大阪ユース 2-0 鹿島ユース
得点者:(G)大谷優斗、長尾優斗

「技術で勝負する」右サイドバック

 グループステージ第3節で、G大阪ユースは勝たなければ次のステージへ進めない状況だった。相手は、伝統的に堅守を誇る鹿島ユース。序盤からボールを支配して敵陣に攻め込むも、強固な相手守備陣に跳ね返された。

 そんな中で迎えた26分。「(プレーを)参考にしているのはダニエウ・アウベス(ブラジル)やラーム(ドイツ)。僕はスピードがないので、技術で勝負するタイプ」と話す右サイドバックの奥田勇斗が、味方とのパス交換からゴール前に進入し、シュートまで持ち込んだ。

「勝たなければいけない試合だったので、今日は攻撃する回数を増やそうと、積極的にどんどん行きました。前半にあったチャンスは、勝負が決まるかもしれない場面でもあったので、次はしっかり決められるようにしなければいけない」と、そのシーンを振り返る。

 チームはその後、鹿島ユースの守備を攻略し、2ゴールを奪って勝利を収めた。4年連続のグループステージ突破を決め、翌日に行なわれるラウンド16へ進出。喜びと同時に、奥田の脳裏に昨年の悔しさがよみがえった。

「昨年もメンバーに選ばれていたのですが、おでこに傷を負って(ラウンド16は)ベンチだったんです。(それまで)一つ上の代でスタメンはなかった中で、クラブユース選手権でいきなり先発のチャンスを得たのに、(第1戦の)開始10分でおでこを切ってしまった。その日に縫って、一応ベンチには入れましたけれど、それから試合には出られず悔しい思いをしました」

 チームもPK戦の末に敗れ(2-2・PK7-8広島ユース)、無念さを味わった。そのため、高校最後の年に頂点に立つ思いはいっそうに強い。

「このメンバーとやれるのも最後なので、やり切りたい。そして、タイトルを取りたい気持ちが強いです。今年は自分の代ということもあるし、決勝へ行き、優勝できるチームでもあると思っています。最後まであきらめずに走って、まずは明日勝ちたい」

 2007年大会以来となる優勝をチームにもたらすため、奥田はラウンド16の横浜FMユース戦(7月25日)でも果敢に右サイドから攻撃を仕掛けていく。

取材◎小林康幸

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