今季初の3連勝を飾った岡山が、J1昇格プレーオフ圏内の6位に浮上した。前節終了時点で2位、リーグ最少失点の堅守を誇る山形をホームに迎え、終盤に決勝点を奪って1-0勝利。攻撃の二枚看板による好連係でネットを揺らし、競り合いを制した。

上写真=決勝点を挙げた仲間は、駆け寄ってきた中野誠也(7番)と喜びを分かち合った(写真◎J.LEAGUE)

■2019年7月21日 J2リーグ第23節
 岡山 1-0 山形
 得点者:(岡)仲間隼斗

「とにかく枠に」

 岡山の有馬賢二監督が試合後に「選手たちには、我慢強く戦う90分間が勝ち点を取れるか・取れないかの分かれ目になると話していた」と明かしたように、双方とも決定機が少なく、お互いが一瞬のスキを狙う状況が長く続いた一戦。そのスキが、山形に生まれたのは74分だった。

 ハーフウェーライン付近でタッチラインを割りそうなボールを、山形MF三鬼海が残して味方につなごうとしたボールが、岡山MF仲間隼斗の下へ。すぐさま呼応した岡山FWイ・ヨンジェが左サイドのスペースに走り出したところに仲間からのパスが通り、フリーで抜け出した。
 
 イ・ヨンジェがドリブル突破から中央の状況をよく見てマイナスに折り返すと、走り込んだ仲間が右足でダイレクトシュート。インステップキックで合わせたボールは外側に逃げながら、山形GK櫛引政敏が懸命に伸ばした手の先を抜け、右ポストに当たりながらも内側にはね返り、逆側のサイドネットを揺らした。
 
 前節までリーグ戦全試合に出場してチーム最多・リーグ最多タイの14得点を挙げているイ・ヨンジェと、同じく前節までリーグ戦全試合に出場して、チーム2位の6得点を挙げている仲間のコンビネーションで奪った先制点。仲間は「ヨンジェがうまく抜け出て、そこに自分がパスを出せた。ゴール前にうまく入っていったら、ヨンジェも良いボールをくれた」と振り返ったが、「特にコースは狙っていなかった」という。それでも「とにかく(ゴールの)枠に(飛ばそう)、という気持ちで打った結果が、あのゴールになってよかった」と喜んだ。
 
 結局このゴールが決勝点となった岡山は1-0で勝利。アウェーでの第20節、横浜FCに1-5の大敗を喫し、第18節から3試合未勝利と苦しい時期があったが、その後は調子を上げ、前半戦最後の第21節から3連勝を飾って、良い形で後半戦に入っている。

 7月27日の第24節は7位の甲府とのアウェーゲーム、7月31日の第25節は2位の柏とのホームゲーム。昇格争いのライバルと目される相手との対戦が続くが、仲間は「これから上を狙うために、絶対にたたいておかなければいけない相手だと思っている」と語り、「(次節は)アウェーでもしっかり勝ち点3を奪って帰ってきたい」と今後を見据えていた。

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE

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