コパ・アメリカ2019に招待国として参加している日本は、グループステージ第2戦で大会最多優勝国のウルグアイと対戦。常に先行するも追いつかれ、2-2で引き分けた。ただし、初戦のチリ戦よりもアグレッシブな戦いを披露。勝ち点1を手にし、第3戦のエクアドル戦にグループステージ突破の可能性を残した。

上写真=ウルグアイ相手に2得点を挙げた三好(写真◎Getty Images)

■2019年6月20日 コパ・アメリカ2019
 グループステージ第2節
 ウルグアイ 2-2 日本
 得点者:(ウ)スアレス 、ヒメネス(日)三好康児2

良い戦いをしてくれた(森保監督)

 日本はチリ戦から先発を6人入れ替えて、ウルグアイ戦に臨んだ。ベテランのGK川島永嗣、FW岡崎慎司が森保一監督体制となって初めて先発に名を連ね、前回途中出場の三好康児、安部裕葵、さらにこれが代表デビュー戦となる板倉滉、岩田智輝もスタートからピッチに立った。

 チリ戦に比べ、日本は攻撃面で持ち味を発揮した。4-2-3-1の前線の4人、1トップ岡崎、左MF中島翔哉、トップ下安部、右MF三好が連動したプレーを見せる。積極的に縦パスを呼び込み、果敢にサイド攻撃を仕掛けた。
 
 先制点は、25分。左サイドのスローインから柴崎岳が右サイドへ大きく展開。ワイドなスペースでボールを受けた三好が迷わず縦を突き、そのままボックス内に進入すると、ラクサールをかわして右足でシュート。強烈な一撃でニアサイドを破り、日本が先制に成功した。

 その後、勢いに乗りたかった日本だが、パスミスなどでカウンターを浴びるケースが増え、32分には植田直通がボックス内でカバーニのシュートを足裏で対応し、PKを取られてしまう。これをスアレスにきっちり決められて、前半のうちに1-1の同点とされた。

 しかし、日本はそれでも攻めの姿勢を失わなかった。後半も機動力のあるアタック陣が堅守を誇るウルグアイに果敢に仕掛けていく。59分、日本がまたしても、ムスレラが守るゴールを破ってみせた。左サイドバックの杉岡大暉が前方の中島へパスを送ると、中島がドリブルを開始。オーバーラップした杉岡が再びボールを引き取り、ボックス左横からクロスを送る。ボールはいったんGKに触られるが、走り込んでいた三好が冷静に左足を合わせてこの日2点目をスコアした。

 日本が再び先行したことで、ウルグアイはいっそう圧力を増していった。攻撃にかける人数を増やした相手に対し、日本はプレスをかけられず、中盤を突破されて最終ラインで何とか攻撃を食い止めるケースが増えていく。そして66分、相手CKの機会にヒメネスにヘディングシュートを決められてしまう。冨安健洋がマークに付いていたが、ロデイロの蹴ったボールの軌道と、点で合わせるヒメネスの技術の前に防ぐことはできなかった。

 ここから、さらに世界有数のFWであるスアレス、カバーニを中心にウルグアイは攻撃の圧力を強めていく。繰り返される怒涛のアタックを、水際で何とかしのぐ日本。ボール保持の時間を増やそうと、三好に代えて久保建英を投入するなど、日本も手を打つが、それでもウルグアイの波状攻撃が続いた。右サイドバックの岩田に代えて高さのある立田悠悟をピッチに送り、相手のクロスにも対応し、何とか耐える。終盤は特にミスから危ないシーンを何度も迎えたが、5分のアディショナルタイムもしのぎきり、日本が今大会で初めて勝ち点を手にした。

「選手たちが勝ちたいという気持ちをプレーに表してくれたと思います。よくハードワークしてくれて、チャレンジしてくれて、勝てなかったのは残念ですけれど、良い戦いをしてくれたと思います。1戦1戦、持てるものをすべて出し切って戦うということで、次の試合に勝ってグループリーグを突破できるようにしたいと思います」

 フラッシュインタビューに登場した森保一監督も手応えを感じた様子。確かに攻めでは、日本も持ち味が出た試合だった。

「入りのところから自分たちの考えていたプレーを出せていたと思いますし、自分個人としてもゴールも狙っていけて、得点も取れたので、チーム全体としても、この勝ち点1は大きいものだと思います」

 2ゴールを挙げた三好もチームの攻撃面に関して手応えを口にし、強豪ウルグアイ相手に引き分けて勝ち点を得たことが次につながると話した。

 この結果、日本はグループステージ突破の可能性を残し、次戦に臨むことになった。運命の第3戦、エクアドル戦は日本時間6月25日朝8時にキックオフされる。

●日本代表のウルグアイ戦のメンバー:GK川島永嗣、DF岩田智輝(87分、立田悠悟)、植田直通、冨安健洋、杉岡大暉、MF柴崎岳、板倉滉、三好康児(83分、久保建英)、安部裕葵(67分、上田綺世)、中島翔哉、FW岡崎慎司

写真◎Getty Images