浦和が終了間際に追いつき、連敗を「4」で止めた。前半は果敢なプレスがはまったものの、後半は川崎Fにボールを支配され、苦しい時間が続いた。54分にゴールを許し、敗色濃厚だった試合終了間際、混戦から森脇良太のシュートで同点に追いついた。大槻毅・新監督の初陣で見えた浦和の変化とは?

上写真=アディショナルタイムに執念の同点ゴールを挙げた森脇(写真◎J.LEAGUE)

■2019年6月1日 J1リーグ第14節
川崎F 1-1 浦和
得点:(川)レアンドロ・ダミアン (浦)森脇良太

「どこで、どう奪うか」の守備が整理された

 大槻新体制になり、ボールにアタックする回数が明らかに増えた。全体のラインをコンパクトに保ち、とにかくボールに食らいつく。守備の陣形は5-4-1。並びだけを見ると、オリヴェイラ前体制と変化はないものの、網を張る位置とその強度が違った。

 ドイスボランチの起用にも“大槻色”が見て取れた。ボール奪取力に優れた柴戸海と青木拓矢を組ませ、守備の約束ごとを徹底した。

「いつ、どこで、どのようにボールを奪うのかが、はっきりするようになりました。練習から細かく、具体的に指示をされていたので」

 柴戸海は、守備が整理されたことを強調。これまでチームがハードワークを怠っていたわけではない。むしろ、それが報われなかったのだ。気迫あふれるボールへのチャレンジは空転することが多く、その結果、誰も行かずに待ち構えるという悪循環が生まれた。気がつけば、ずるずるとラインは下がった。防戦一方の試合が続き、4連敗を喫した。しかし、この日の浦和は違った。

「まず1人がボールにアタックに行かないと始まらない。当たり前のことだけど、きょうはチャレンジ・カバーがしっかりできていた。前半は中盤で引っ掛けてショートカウンターも決まっていたし、狙っていた形も出せた」

 2列目でボールを追い続けた武藤雄樹は手応えを感じていた。ボールを奪って左サイドでマルティノスを走らせ、チャンスをつくった。後半はパスワークでいなされ、後手に回る場面が増えたが、1失点で耐えられたのは、粘りの守備があったからこそ。終了間際には運まで味方につけて、同点に持ち込んだ。魂を見せて、最後まで戦った宇賀神友弥は、気合を入れ直した。

「これが最低限のベース。ここから右肩上がりにしていきたい」
 大槻監督は中断期間中に戦術的な積み上げをしていくという。価値あるドローにも満足せず、「この勝ち点1を後半(今後)につなげる」と巻き返しを誓った。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE