写真◎J.LEAGUE
広島が4点を奪い、連敗を「5」で止めた。前半からチャンスを確実にものした。6分に森島司が先制ゴールを挙げると、25分にもCKからドウグラス・ヴィエイラが追加点をマーク。後半にも2点を重ねて、圧勝した。浦和はリーグ戦で4連敗。広島のゴールラッシュの口火を切ったのは、リーグ戦で今季初先発した森島だった。
上写真=先制ゴールを決めた森島司(写真◎J.LEAGUE)
■5月26日 J1リーグ第13節
浦和 0-4 広島
得点者:(広)森島司、ドウグラス・ヴィエイラ、ハイネル、渡大生
ACLで自信をつかんだプロ4年目の22歳
ACLで結果を残す22歳のFWが、リーグ戦で5連敗していた広島を救った。2シャドーの一角に入った森島は、立ち上がりからはつらつとプレー。開始6分、いきなりチャンスはやってきた。ゴールポストに当たり、はね返ったボールに素早く反応し、冷静に右足で流し込んだ。
「あの場所に走り込めたことがよかった」
満面の笑みでJ1初ゴールを振り返った。名門の四日市中央工高から加入してプロ4年目。昨季はリーグ戦1試合出場にとどまり、伸び悩んでいた。ポジションも慣れないアウトサイドでテストされるなど、一時期は自分の持ち味も出せずに苦しんだという。それでも、腐らずに今季は課題のシュートを磨くために力を注いでいる。成果はしっかり出ている。ACLでもプロ初ゴールをマークするなど、グループステージ突破に貢献。この日はリーグ戦で値千金の先制点を決めた。
「いまはゴール前で余裕があります。調子が良かったので、きょうも点が取れるかなと思っていました」
チームに貢献したのはゴールだけではない。25分にはCKのキッカーとして、2点目をアシスト。これもACLの舞台できっかけをつかんだ武器。もともとキック精度には定評があったものの、厳しい公式戦でもまれることで成長した。若手の台頭を待っていた城福浩監督は、最後まで熱っぽかった。
「ACLで頑張った選手がリーグ戦でも割り込んでくると信じていた。この競争が、このチームの生命線となる」
昨季はリーグ戦2位。地力は十分ある。勝ち点20となり、7位に浮上。広島の反撃はここから始まる。
取材◎杉園昌之