5月25日、日本代表はメキシコとの第2戦を前にグダニスク市内でトレーニングを行なった。報道陣に公開されたのは冒頭の約30分のみとなったが、その後1時間ほど、選手たちはメキシコ戦に向けて汗を流した。

上写真=メキシコ戦前日練習に臨む田川(写真◎サッカーマガジン)

「勝てばだいぶ楽になる」

「自分のスピードが通用している感覚がある」

 FW田川亨介は、23日のエクアドル戦で持ち味を存分に示した。自慢のスピードとフィジカルコンタクトの強さを生かして、相手DFの背後のスペースを幾度となく突き、チャンスを何度も作り出した。

 第2戦の相手であるメキシコとは、昨年9月にも敵地で対戦している。結果は1-1の引き分け。日本の同点ゴールを奪ったのは、田川だった。その試合でつかんだ手ごたえは大きい。

「(体の)サイズはそんなにないけれど、足元の技術だったり、そういうところがうまい選手は何人もいる印象がある。(今回の対戦では)それを警戒しつつ、自分はストロングポイントを出す。それだけです」

 メキシコは初戦でイタリアに敗れ、第1節を終えてグループ最下位に沈む。決勝トーナメント進出のためには、日本戦での勝ち点3獲得が至上命令だ。そのため、チームとしてゴールを奪う意識が強くなり、守備ラインが高い位置を取る時間帯も多くなるかもしれない。

「たぶん、そういう感じで来ると思いますし、そこで受け身になってはいけない。自分たちのサッカーを意識しながら戦わないと、この前(エクアドル戦)みたいな展開になってしまう可能性もある」と、田川はメキシコへの警戒を強める。

 ただ、実際にそのような状況になれば、メキシコの最終ラインの背後には大きなスペースが生まれる。そこに味方からのパスが供給されれば、エクアドル戦のように田川の特長が生きる場面も増えるだろう。「少なからず、チャンスが来るイメージは持っています」と、チームを勝利に導くためのゴールを狙う。

 2年前の前回大会は、勝ち点4を獲得してグループステージを突破した。今回、初戦で勝ち点1を奪ったことで、この試合に勝てば前回大会と同じ勝ち点数に到達する。つまり、ベスト16入りへ大きく前進することとなる。

「自分たちが勝てば、(第3戦を前に)だいぶ楽になる。チームに『勝ちに行く』という共通意識があるので、明日はそういう気持ちで臨みます」

 日本が誇る快足ストライカーが、メキシコ戦で大会初勝利を目指す。試合は日本時間の22時30分にキックオフされる。

取材◎小林康幸