5月24日、エクアドル戦から一夜明け、日本代表はポーランド北部のグダニスクでトレーニングを行なった。前日の出場時間が短かった西川潤と中村敬斗、出場のなかった茂木秀、鈴木彩艶、鈴木冬一、三國ケネディエブス、藤本寛也、喜田陽、中村敬斗の9人が練習場に現れ、1時間ほど汗を流した。

上写真=グダニスクの練習場でトレーニングを行なう西川(写真◎サッカーマガジン)

中学生以来のメキシコ戦

 弱冠17歳でU-20ワールドカップを戦う西川潤(桐光学園高・C大阪特別指定)は、初戦のエクアドル戦では66分にピッチへ入り、右サイドから積極的に攻撃を仕掛けた。山田康太の同点弾につながるパスをゴール前に送るなど、初めて立つ世界の舞台でも堂々と持ち味を見せた。

 浮き足立つことなくエクアドル戦に臨めたのは、これまでに培った経験があることも大きい。特に、直近では3月のヨーロッパ遠征時にアルゼンチンと対戦し、南米勢のレベルを体感した。

「南米の相手は(3月に)アルゼンチンと戦っているので、自分が(南米勢相手に)どれだけできるかというのは分かっていました。だから(エクアドル戦で)自分の良さを出せた部分はありました。でも、もっとやれるところもあるかなと思います」

 エクアドル戦の課題として、「決めきる力をつけること」を挙げる。シュートチャンスを物にできなかったシーンを振り返っても、「悔しいです」と一言。そのため、第2戦のメキシコ戦では、「もちろん点を取りたいし、アシストでもいいですけれど、チームの勝利に貢献できるプレーをしたい」と、さらなる活躍を目指す。

 そんな西川がメキシコと対戦するのは、中学生以来2度目となる。「U-15代表でイタリア遠征に行ったときに1回戦っています」。当時、肌で感じた北中米の強豪の印象は、時を経た今でも鮮明に残っている。

「(メキシコの選手は身長が)あまり大きくないけれど、(体が)太くて、がっつり(ボールを)奪いに来るイメージが自分の中にはあります。(今回戦うメキシコ代表は)未知の相手ですけれど、年代が上がるにつれて、たぶんそのレベルも高まっていると思う。すばしっこくて、すごくやりにくい相手でもあるかなと思います」

 西川が言うように、メキシコはMFディエゴ・ライネスを中心に、激しさとスピードを前面に出して、日本に向かってくるだろう。初戦でイタリアに敗北を喫したこともあり、是が非でも日本を倒すべく、その威力をより増して臨んでくることも予想できる。

 そんな相手とどのように戦い、勝ち点3を物にするか――。若きサムライブルーの真価が問われる。

取材◎小林康幸