先発に名を連ねた背番号16は、左サイドを精力的に走り回り、攻守にわたって存在感を放った。そして、1点ビハインドの68分、日本を敗戦から救う同点ゴールを挙げた。

上写真=豊富な運動量でピッチを走り回り、同点弾を決めた山田(写真◎Getty Images)

■2019年5月23日 U-20ワールドカップ・グループステージ第1節
日本 1-1 エクアドル
得点者:(日)山田康太 (エ)オウンゴール

「次は勝たせるゴールを決めたい」

 日本が1点を追う68分。西川潤が頭で、伊藤洋輝が左足で、ゴール前へ立て続けにパスを送る。同点ゴールを狙う日本の圧力は、相手守備陣に思うようなクリアをさせず、力のないこぼれ球が山田康太の前に転がった。

「なんであそこにいたのかは分からないけれど、前に行ったら自分のところに(ボールが)転がってきました。(シュートの場面を)あまり覚えていなくて、気づいたらボールが(ゴールに)入っていた。気持ちで押し込んだということだけを覚えています」

 無我夢中で振り抜いた右足が、日本に同点ゴールをもたらした。

 影山雅永監督からエクアドル戦に先発出場することを告げられてから、「興奮を抑えられないくらい、すごく気持ちが高ぶっていた」という。それだけに、「前半は硬くて自分たちのサッカーができなかった。失点して(試合を)難しくしてしまった」と、前半の出来を悔やんだ。

 それでも、後半に本来のパフォーマンスを取り戻した。

「後半はちょっとずつリラックスできて、自分らしく、自分たち(チーム)も良いプレーができた」と、南米王者を相手に手ごたえを得た。

 そして同点ゴールが生まれたが、「本当に勝ちを目指して臨んだ初戦だったので、1点を取って大喜びするわけではない」と、引き分けの結果には満足していない。

 そのため次戦(5月26日・メキシコ戦)は、グループステージ突破のためにも必勝を期す。山田自身にも、2試合連続ゴールの期待がかかる。

「次は決勝点だったり、(チームを)勝たせるゴールを決めて、みんなでたくさん喜びたいです」

 日の丸を背負うプライドを胸に、3日後のメキシコ戦でもゴールを狙う。

取材◎小林康幸