エクアドルに12本ものシュートを打たれるも最少失点で乗り切り、勝ち点1獲得につなげた。南米王者の前には、京都育ちの守護神が立ちはだかった。

上写真=相手のPKを止めるなど、存在感を放ったGK若原(写真◎Getty Images)

■2019年5月23日 U-20ワールドカップ・グループステージ第1節
日本 1-1 エクアドル
得点者:(日)山田康太 (エ)オウンゴール

「今日やられたぶんは、次でやり返す」

「あそこで0-2になるのと、(シュートを)止めたのとでは、大きく違う」

 日本を率いる影山雅永監督が振り返ったのは、1点ビハインドで迎えた51分のシーンだ。後半の立ち上がりにPKを献上。決められていれば、さらに苦しい試合展開を強いられていたことだろう。だが、この場面でGK若原智哉(京都)がビッグセーブを見せ、日本を救った。

「(PKを)奪われてから時間があって、気持ちに余裕がありました。『止めたらヒーローやろな』と。キッカーが立ったときに『こっちやろうな』と(勘で)分かって、自信を持って飛んだ。そしたら(ボールが)来てくれてよかったです」

 その後、チームは同点に追いつき、勝ち点1を獲得。若原のPKストップは、試合の行方を大きく左右するポイントとなった。

 若原にとって、初めて臨む大きな世界大会なだけに、試合前から「めっちゃ緊張していました」と振り返る。それでも、前半から相手のシュートを難なく止めていた。

「ディフェンスの選手が体を張ってくれて、(相手のシュート)コースにしっかり入ってくれました。だから、僕自身も落ち着くことができた。すごいシュートも飛んできましたけれど、しっかりキャッチできたので『これは大丈夫かな』と。スカウティング(映像)で(エクアドルの選手が)どんな体勢からでも(シュートを)打ってくるのを見ていたので、構えておいてよかったです」

 ただ、前半終了間際に失点を喫した場面をはじめ、メキシコとの第2戦に向けて課題も浮き彫りとなった。

「(失点シーンは)ちょうど僕と(ディフェンス)ラインの間くらいに良いボールが落ちてきた。チャレンジして、事故のような(失点の)形になってしまいました。もうちょっとラインを下げることだったり、そういった修正点が見つかったので、次の試合までに改善したい。(この試合は)セットプレーの一本でやられたし、こういう大会ではそれがカギになる。今日やられたぶんは、次でやり返すという感じでやりたいと思います」

 まずは2大会連続のグループステージ突破を果たすべく、守護神は次戦(5月26日)こそ無失点での勝利を目指す。

取材◎小林康幸