上写真=かつて仙台で共に戦った梁勇基、手倉森監督(現長崎)、関口(左から)がキャンプ地の沖縄で再会
写真◎杉園昌之

 J1の仙台は沖縄県糸満市での1次キャンプ最終日の1月29日、西崎運動公園陸上競技場でJ2の長崎と45分間3セットの練習試合を行ない、梁勇基のゴールで1ー0で競り勝った。

手倉森監督に「負けたくなかった」

 仙台一筋16年目を迎える37歳の梁勇基が、健在ぶりをアピールした。練習試合の1本目で登場し、ボランチとしてゲームをコントロール。素早い攻守の切り替えを徹底し、守備にも奔走した。ファウルになるシーンもあったが、気迫あふれるプレーを見せた。この日は燃えないわけがなかった。相手の長崎を率いるのは、かつて仙台を指揮していた手倉森誠監督。2004年のコーチ時代から指導を受けており、08年から13年は監督と選手として苦楽をともにしてきた。今も昔も親しみを込めて手倉森監督のことを「誠さん」と呼んでおり、特別な思い入れもある。

「やっぱり、負けたくないという気持ちがあった。懐かしい感じがした」(梁勇基)

 しっかり見せ場も作った。相手ゴール前でプレースキックのチャンスを得ると、人壁の下を通す技ありの一発でネットを揺らした。

 本人は「まぐれですよ」とはぐらしたが、狙いを定めた一発だった。伝家の宝刀は錆びついていない。

 手倉森監督は、今季初失点を許したものの、それが愛弟子の一発だっただけに口も滑らかになった。

「リャンに決められるような気がした。ご祝儀を与えてしまったかな(笑)。(リャンは)まだまだやれるってところをアピールできたと思う。今季のJ1でもうひと暴れ、ふた暴れしてほしい」

 ベテランと呼ばれるようになった教え子に愛のあるエールを送っていた。試合後にはにこやかに談笑し、最後は関口訓充、梁勇基の3人で記念撮影。沖縄で懐かしい貴重な3ショットが実現した。

取材◎杉園昌之