上写真=湘南の勝利を手繰り寄せる2点目を決めた菊地俊介
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 湘南が逃げ切り、5戦ぶりの勝利。序盤から相手にボールを支配されたが、20分にカウンターで好機を作る。梅崎司がハーフウェーライン付近から独走し、先制点をマーク。後半も一瞬のスキを突き、56分に菊地俊介が追加点を挙げた。終盤に1失点は喫したが、最後まで1点のリードは守り抜いた。J1残留へ向けて、一歩前進。最終節の名古屋戦は引き分けても15位以内が確定する。浦和は槙野智章、柏木陽介ら主力の欠場が大きく影響し、攻守ともに精彩を欠いた。

■2018年11月24日 J1リーグ第33節
湘南 2ー1 浦和
得点者:(湘)梅崎司、菊地俊介 (浦)興梠慎三

「次につながる勝利だった」

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 湘南のJ1残留に向けて、価値ある勝利を呼ぶゴールだった。1点リードで迎えた56分、菊地俊介が一瞬のスキを突く。浦和の最終ラインがそろっていないことを確認し、ファーサイドへ流れ、マーカーの視野からすっと消えた。敵陣のペナルティーエリア近くでこぼれ球を拾った石川俊輝と目が合った瞬間、待ち構える場所にクロスを呼び込んだ。後手に回ったマーカーの気配を感じながらも、落ち着いてトラップし、右足で丁寧にゴール左隅へ流し込んだ。

「ファーストタッチで決まった。狙いどおりのコースに打てた」と胸を張った。

 7月22日の神戸戦以来となるゴール。チーム最多となる6点目を挙げても、本人は「まだまだ足りない」と苦笑する。ゴールに飢えている男は、「どん欲になっている」と目をぎらつかせる。2シャドーの一角に入りながら、肝心なところで点を取れない試合が続いた。ケガで離脱し、チームに貢献できない時期もあった。10月27日にルヴァン杯で初優勝を果たしたが、それ以降はリーグ戦で4戦連続未勝利。試合内容は悪くなかったものの、好機を生かせずに勝ち点を逃してきた。攻撃陣として、責任も感じていた。それだけに、この日のゴールは格別だった。

 最終節は残留を争う名古屋との直接対決。ドローでも残留が決定するが、「引き分けでいいとは思わない。次は勝って決める」と力を込める。2年前にはJ2降格を経験しており、J1残留争いの厳しさは身を持って知っている。いまのチームは、かつてのような勢い任せの未熟さはない。経験を積み、浦和戦のように粘り強く勝ち点を手繰り寄せる術も身に付けた。「次につながる勝利だった」。成長した姿は、最後の結果で証明する。

取材◎杉園昌之