上写真=キルギス戦にフル出場した権田
写真◎Getty Images

 11月20日、日本はキルギスと対戦し、4-0で大勝した。試合内容からも、両チームの実力差は明らかだっただろう。それでも、来年1月に控えるアジアカップに向けて、キルギス戦にフル出場したGK権田修一は、その一戦の意義を語る。

「この水準を保たないと、日本のサッカーはできない」

 森保体制で2度目の先発を飾ったGK権田修一は、前回出場したパナマ戦(○3-0)と同様に、キルギス戦でも完封勝利に貢献した。ただ、今回はキルギスを相手に打たれたシュートはわずか1本。GKとしての見せ場が少ない試合となったが、その中でも権田は手応えをつかんだようだ。

「今日(キルギス戦)は、シュートを止めることもそうですが、流れを止めないことだったり、そういうことがゴールキーパーにとっては大事になる試合でした。わりと淀みなくできたのかなと、個人的には思っています。僕の場合は、(GKとして)何も違和感なく終われれば、良い試合だったということ。(違和感というのは)皆さんが見ていて『ちょっとバタバタしているな』とか、そういうことはないほうがいいですから」

 ボールに触れる機会がほとんどなかったとはいえ、本人が言うように、90分を通して権田は安定していたと言えるだろう。攻め込まれるシーンが少なかったのも、「なぜ、こうしてピンチが少なかったかというと、フィールドの選手が精力的に守備のところで切り替えてくれているから、ピンチになっていないところはたくさんある」と、フィールドプレーヤーの活躍を称賛する。

 ただ、日本代表としては、特にアジアの相手と戦う上では、このパフォーマンスを継続させなければならない。権田はそのことについて言及する。

「これを最低限のレベルというか、この水準を保たないと、日本のアグレッシブにボールを持ってチャレンジするサッカーはできない。だから、アジアで戦う上では、どんな相手でもこういう試合はあるし、日本が強くなっていくためには、こういう試合をどんどん増やしていかなければいけない」

 そして、その視線の先には、来年1月に開催されるアジアカップがある。

「ここ(代表)にいる選手は、みんなレベルの高い選手ばかりだけれど、いつ、誰がどういう形で、ポジションやシステムを変えたりして、流れを変えなければいけない状況が来るか、分からないじゃないですか。そういうときのために、いろいろな準備を後ろの選手はしなければいけないし、(あらゆる現象が起こることを)予測しなければならない。だから、自分にとっては良い経験となりました。今後、アジアカップへ行ったら、いろいろなパターンが出てくると思うので、しっかり準備していきたいと思います」

 2011年大会以来、8年ぶりのアジア制覇を狙うサムライブルー。大会前最後の親善試合となったキルギス戦は、大勝という結果とともに、アジアカップへ向けた収穫も手にした一戦となったようだ。

取材◎小林康幸