上写真=ボランチの位置で攻守に奮闘した遠藤
写真◎小山真司

勇気あるボランチの仕事

 遠藤航はチームの潤滑油として働いた。技巧派がズラリと並んだ2列目のアタッカーを中盤の底から下支え。守備時にはいち早くスペースを埋め、後方からビルドアップでは効果的な縦パスを通した。
「ミスもあったが、自分の持ち味を出せた」と満足そうに試合を振り返った。

 今夏、浦和からベルギーのシント・トロイデンへ完全移籍。新天地では、かねてから希望していたボランチで経験を積んでおり、確かな手応えを感じている。
「メンタル的に充実している。縦に入れる勇気、(マークを)一つはがしてドリブルで運ぶ勇気を持てるようになった」
 ウルグアイ戦でも前半に大迫勇也へ決定的な縦パスを通すなど、存在感を示した。

 守備の役割も果たす。3失点を喫したとはいえ、中盤での仕事ぶりは評価に値する。素早いプレスで相手の速攻を遅らせ、球際の勝負でも負けていなかった。
「(守備でも)いい判断ができている。そこは僕の持ち味」

 ベルギーに渡り、まだ約3カ月。フィジカルの強い欧州の猛者としのぎを削る日常から得たものは大きいようだ。激しいチャージもいとわないタフなウルグアイ人たちを向こうに回しても、へっちゃら。
「(ウルグアイは)別にフィジカルが強いとは思わなかった」

 平然と言い放つ言葉にも説得力がある。“ポスト長谷部”と表現したくなるほど、25歳はたくましくなりつつある。

取材◎杉園昌之