コスタリカ戦で躍動した中島翔哉。スキルフルなプレーでサポーターを魅了した(写真◎早浪章弘)

 森保ジャパンは、快勝で2022年カタールW杯に続く道の第一歩を踏み出した。今月7日のチリ戦が北海道胆振東部地震の影響で中止となり、この日のコスタリカ戦がチームにとっての初陣。結果は攻守にフレッシュな選手たちが躍動し、3-0の完勝。とりわけ、ゲームで目立ったのがエースナンバーを背負う中島翔哉だった。

■キリンチャレンジカップ2018
日本 3-0 コスタリカ
得点:(日)オウンゴール、南野拓実、伊東純也

根っからのサッカー小僧

 背番号10の期待に違わぬ働きだった。中島翔哉がボールを持つたびに吹田スタジアムは沸き、好機が生まれた。16分には精度の高いCKで先制ゴール(オウンゴール)のきっかけをつくる。

「あまりいいボールではなかったですが、ゴールにつながってよかったです」

 苦笑いしながらも何よりも勝利に貢献したことを喜んでいた。圧巻だったのは、再三チャンスをつくった鋭い仕掛けからの矢のようなクロスボール。左サイドで相手を外した瞬間、中央の味方にボールは届いていた。

 1点リードで迎えた66分には中島の足に球がつくと、一瞬、時間が止まった。何度もゴールを脅かしていたクロスかと思いきや、絶妙のタイミングでスルーパス。「その瞬間で判断した」というひらめきが生んだプレーだった。ボールを受けた遠藤航が素早く折り返すと、南野拓実がきれいにゴールへ流し込んだ。

「リオ五輪から一緒にプレーしていた選手だったので、あそこで動き出すのは分かっていた」

 攻撃の起点となった中島には満足そうな表情が浮かんでいた。ポルトガルからはるばる帰国し、大役を任された男のプレーには自信があふれていた。今季からはポルティモネンセでも10番を背負っている。ユニフォームの色が変わっても、気負いはない。「10番は特別な番号」と理解した上でも、ほかの何よりも勝る気持ちがあった。奔放な10番は、何度も同じ言葉を繰り返した。

「きょうはすごく楽しかった。楽しくプレーをできた。サッカーを楽しめた」

 根っからのサッカー小僧に重圧などない。森保ジャパンの初陣でも、はつらつとした笑顔を見せていた。

取材◎杉園昌之 写真◎早浪章弘、宮原和也