先行を許しながらもC大阪がアウェーで逆転勝ち。ソウザが値千金の決勝点を記録した(写真◎J.LEAGUE PHOTOS)

 C大阪が逆転勝ち。1点を追う29分にオスマルの今季初ゴールで同点にすると、勢いに乗った。後半もスキを突く速攻から好機を作る。53分にはソウザがミドルシュートを決めて勝ち越し。終盤は山村を投入して守備を固めて、逃げ切った。浦和は守備陣が踏ん張れずに2連敗。

■2018年9月1日 J1リーグ第25節
浦和 1-2 C大阪
得点者:(浦)李忠成、(C)オスマル、ソウザ

ゴール左斜め上へ一直線

 敵地の会場がざわついた。1-1の53分、衝撃的なミドルシュートが決まる。C大阪のソウザはペナルティーエリアの右角付近でパスを受けると、得意の右足に持ちかえ、思い切り振り抜く。次の瞬間、雷鳴とどろく埼玉スタジアムのピッチに「稲妻」が走る。ボールはすさまじい速度でゴールネットの左斜め上へ。名手のGK西川周作も遅れて反応するのが精いっぱいだった。浦和のイレブンがあ然とするなか、闘志あふれるブラジル人は拳を握りしめ、雷雨のなか喜びを爆発させた。

「キーパーには厳しいコースだったと思う。あのシュートは、すごくうれしいね」

 満面の笑みで振り返った。ソウザはJリーグでプレーして3年目になるが、自身ベスト3に入るゴールだったという。「格好良かったよ」と冗談まじりに自画自賛。浦和の槙野智章は圧巻の一発に「相手を褒めるしかない」と脱帽していた。

 パンチ力のあるボランチはミドルシュートに絶対の自信を持っており、「もっといいゴールを決めていく」とニヤリ。俺はこんなものではない--。いたずっぽく笑う顔には、そう書いてあるようだった。

 この日は雷も雨も全く気に留めず、ゴール以外でも攻守両面で奮起。尹晶煥監督は「集中してプレーしてくれた。良いパスもたくさん出していた」と褒め称えた。

 昨年のルヴァン杯決勝の川崎F戦でも埼スタでゴールを決めており、相性は抜群。芝生が土砂降りの雨で重くなっていても、関係ないようだ。

「しっかり足に当たる」

 黄金の右を持つ男の言葉は、なんとも頼もしい。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE PHOTOS