ポーランド戦前夜、一部メディアで日本の先発予想記事が出た。知っての通り、日本は6人先発を入れ替えたが予想は的中。そのことについて、長友佑都が言及した。一度、取材を終えた後で再び取材エリアに戻ってくると「ちょっといいですか」と、記者を集めて語り始めた。以下は、その全文。

ポーランド戦も長友はフル出場。決勝トーナメント進出にその存在は欠かせなかった

同じ日本人として一緒に戦ってほしい

「皆さんの仕事の立場だったり、あとはその裏に家族がいたり大切な人がいるというのも理解したうえで、自分は言いたいですけど…あの記事を見てすごい残念でした。どこから漏れたのか。どこからか見ていたのか。それはわからないですけど、一緒に戦う日本人としてすごく残念な気持ちに、選手みんな、なりましたね。
 僕たちはブラジルW杯が終わってから4年間、このロシアW杯に懸けて、すべてのエネルギーを懸けて、覚悟をもってやってきたので、この期間だけでいいので、同じ日本人として、同じ仲間として、僕たちに力を貸してほしいなと思います。もちろん批判するなとかそういうのじゃなくて、批判はもちろん全然問題ないし。そういうチームの内部の部分が漏れたりするというのは、自分たちがやるせない気持ちになるんでね、どうか自分たちに力を貸してほしいですし、協力してほしいなと、その部分は思います。それだけです。
(本田選手もtwitterで発信していたが)そうですね、僕らも前日の夜にこういう記事が出ていると、スタメンがね。これ絶対にわからないだろうというレベルのスタメンだったと思うんですよ。一人二人が代わるくらいで、それを予想されるなら、普通だと、わかるんですけど、あのスタメンを当てるというのは、内部から漏れているというか、外から見ているのか、どうなのかわからないですけど。非常にこうやっぱり、すべてを懸けて戦っている身として残念だった部分があって。ちょっとした情報だったりも命とりになりかねない。スタメンだけじゃなくて、(セネガル戦の)オフサイドトラップも、どこかから情報が漏れていて(相手が)知っていたら、たぶん失点になっていたと思うんですよね。2列目から選手が飛び出してきて。そういうのも含めて力を貸してほしいなと思います」

 近年のワールドカップはますます情報戦の様相を呈している。非公開練習があるのも当然、情報の漏洩を防ぐためだ。だが、ポーランド戦のスタメンは漏れていた。
 7月2日、日本は史上初のベスト8進出を懸けてベルギー戦に臨む。ワールドクラスひしめく強豪国が相手。長友や本田が求める「オールジャパン」で、最高の準備をーー。

取材◎佐藤 景 写真◎Getty Images