■グループE
ブラジル…21大会連続21回目
スイス…4大会連続11回目
コスタリカ…2大会連続5回目
セルビア…2大会ぶり12回目

大本命はブラジルで揺るがない。これほど攻守にスキのないセレソンも珍しい(写真◎Getty images)

 三つ巴の争いだろう。もちろん、2位争いの話。大本命は言うまでもなく、ブラジルだ。
 最も首位通過の確率が高い――という意味では、グループCのフランスと双璧だろう。とにかく、攻めてよし、守ってよし。これほど攻守のバランスに秀でたセレソンを見るのも久しぶりだ。
 国内きっての名将チッチの就任に伴い、現代サッカーのイロハを採り込んだ隙のないチームに変貌。何しろ、前線のタレント群がマジックを操るどころか、プレスの先兵としても十全に機能してしまう。
 ドゥンガ前監督の時代は言うに及ばず、ひと昔前のセレソンでも、そうはいかなかった。優勝候補の筆頭格に推されるのも当然か。
 右サイドバックのダニエウ・アウベスが負傷によりメンバー外となったが、致命傷にはなるまい。むしろケガ明けのネイマールが、どこまで好調時の状態に戻せるか。
 もっとも、グループステージならネイマール不在でも楽に勝ち抜けるはず。それくらい、いまのブラジルは充実していると言っていい。 
一方、2位を争う三つ巴の行方は予測し難いところ。タレント力なら大型MFセルゲイ・ミリコンビッチ=サビッチをはじめ、実力者がそろうセルビアが抜けている。
 だが、個人技優先で組織力に乏しい。その点ではスイスとコスタリカに分がありそうだ。ただし、スイスはポゼッション型、逆にコスタリカはカウンター型と、それぞれチームカラーは対照的だ。
 スイスのアタック陣にはジェルダン・シャキリがいるが、ポゼッションを締めくくる決め手に乏しい。敵の速攻一発に沈む危険が大というわけだ。
 前回大会で初の8強に駒を進め、台風の目になったコスタリカの堅守が健在なら、隙だらけのヨーロッパ勢を蹴落とすチャンスは十分か。
 いちおう、セルビアを2位とみるが、タレント力以外の好材料があるのかどうか。最下位でも驚かない。

文◎北條 聡