■グループC
フランス…6大会連続15回目
オーストラリア…4大会連続5回目
ペルー…9大会ぶり5回目
デンマーク…2大会ぶり5回目

フランスの実力は頭一つ抜けている印象。注目は2位争いだが、前線にタレントがそろうデンマークが優位か?(写真◎Getty Images)

 雨が降ろうが、槍が降ろうが――フランスの独壇場だろう。頭一つどころか、二つも三つも抜けている。完全に「1強」状態だ。
 ホスト国として挑んだEUROの決勝でポルトガルに苦杯をなめてから2年。チーム力をさらに上積みして、ロシアにやって来る。
 若く有望なタレントを取りそろえた陣容は豪華の一語だ。前線に働き盛りのアントワーヌ・グリーズマンと、底知れない可能性を秘めた新星キリアン・ムバッペがいるだけで、そのぜい沢ぶりが分かる。
 中盤にも怪物ポール・ポグバや狩りの名手エンゴロ・カンテがいるのだから、相手はたまったものではない。選手層も厚く、誰が出ても、極端にチーム力が下がることもないわけだ。
 それくらい、今回のチームは戦力的に恵まれている。あとは、ベンチを預かるディディエ・デシャンが、タレント群の個性をうまく引き出せばいい。
 もっとも、精神的支柱が見当たらず、難局に直面したときの反発力に一抹の不安はあるが、この段階では無縁の話。残る3カ国とはチーム力に差がありすぎる。
 となると、このグループの見どころは、2位争いか。デンマークの組織力、ペルーの個人技、オーストラリアのフィジカルが激しくぶつかり合う。
 ペルーは、エースのゲレーロが禁止薬物の使用により、一時出場停止となる報じられた。だが、急転直下で大会の参加が可能となっている。一度は諦めたエースの参加が追い風となる可能性はあるものの、直前のエール離脱騒動に揺れたチームが、どこまで平静を取り戻しているかは気がかりだ。
 そう考えれば、2位はデンマークとオーストラリアの争いになるだろうか。ベルト・ファンマルバイクを新監督に迎えたオーストラリアの「変わり身」は侮れないが、総合力で勝るのは、やはりデンマークだろう。エースのクリスチャン・エリクセンに「おんぶに抱っこ」が実情だが、大崩れしない粘り強さがある。
 爆発力には欠けるものの、手堅く勝ち点を積み上げ、2位に食い込むか。それも、ペルーにしっかり勝ち切ることが条件だろう。それがオーストラリアに可能かどうか……。

文◎北條 聡