「自分が得点を取って勝つことが一番」

昨季の終盤戦、高円宮杯プレミアリーグEASTで優勝争いを繰り広げるFC東京U-18の背番号34は、小柄な体で軽やかにピッチを駆け回っていた。当時1年生の小林里駆だ。

「最初は緊張とかもあったけれど、Jユースカップなどにも出場し、今日は緊張感なく試合に入れました」。そう話したのは、第17節鹿島ユース戦(△0-0)の試合後。2トップの一角として高円宮杯プレミアリーグ初先発を果たし、前半のみの出場となったが、献身的に動き回って、敵地で貴重な勝ち点獲得に貢献した。

だが、自身の出来には不満だった。「鹿島ユースの圧力が、今まで経験したことがないほど、すごかった。もっと自分が足もとでボールを引き出せれば良かったけれど、相手のボランチとセンターバック2枚に見られて、自由を奪われてしまった。体格が小さいので、相手を背負っても当たり負けることが多くて…。何もできずに終わってしまった印象です。全然ダメでした…」と、力不足を痛感。

「ボールを受けて、うまく周りを使いながら、最後に自分が決めるのが理想。そういったプレーをもっと出していかなければいけない」と、肩を落とした。

FC東京U-18の門を叩いた2017年。チーム史上でも有数の“黄金世代”にめぐり会い、多くのものを得た。「最初のころは、自分にボールが入るたびに、多くの先輩がサポートに来てくれたり、自分のプレーが良くないときも、いろいろと声をかけてくれたり、すごくありがたかった」と、穏やかな表情で数カ月前を振り返る。

結果的に高円宮杯プレミアリーグと、夏のクラブユース選手権の2冠を獲得した先輩たちについて「他と比べても、全く違いますね」と、目を輝かせる。「先輩を見て、学ぶことだけで精いっぱいだったけれど、一緒にプレーしていくなかで、徐々にいろいろなものを吸収できたと思う」。

トップチームに昇格したFW原大智やMF品田愛斗ら、2学年上の先輩たちは次のステージへ歩を進めた。頼りにしてきた存在はチームを去り、「2018年は自分が中心という気持ちで」と、2年生としてチームを引っ張る自覚も芽生えている。そして「プレミアリーグ、クラブユース選手権、Jユースカップと3冠を目指して頑張っていきたい」と、憧れの代の成績を超えることが、今季の目標だ。

「もっとフィジカルだったり、全体的にレベルを上げて、自分が得点を取って勝つことが一番です」

チームの主軸を担う決意を胸に、首都のワンダーボーイは、さらなる成長を誓う。

 
取材◎小林康幸
 

小林里駆[MF/FC東京U-18/2年]
こばやし・りく/2001年8月2日生まれ、FC東京U-15むさし出身。ボールを引き出すポジショニングに優れ、パスやドリブルで攻撃のリズムを生むゲームメーカー。168cm、58kg